65万円控除を目指すマンガ家あべかよこの、確定申告の疑問をズバッと解決!のコーナーです!!(笑)。
「医療費控除」、「専従者控除」に続き、今回は、そもそも論。「確定申告って、しなきゃいけないの!?」という疑問を税理士・宮原裕一先生に直球勝負で聞きまくりますよー!
義務ではないが、確定申告をするとトクってこと!
あべ あの〜……こんなこと聞いていいのかわからないのですが……。
宮原 なんでしょう? どんな質問がきても驚きませんよ!
あべ じゃあお聞きしますけど、宮原先生は布袋寅泰さんの大ファンらしいのですが、布袋さんの曲がエガちゃんのテーマ曲になっていることをファンとしてどう思いますか?
宮原 うっ……!! こ、この場は確定申告関連の質問だけでってことでベイベー!!(汗)
あべ わかりました。(驚かないっていったのに……)
あべ じゃあ、申告関連限定で質問しちゃいます。正直……確定申告、面倒だからやりたくないんですけど……。
宮原 ええっ! まさに根底からひっくり返しましたね。(汗) ではお答えしますが、可能か不可能かでいうと「やりたくない」という理由では、不可能です。
あべ あぁ、やっぱり。
宮原 ただ、確定申告の義務があるかどうかでいうと、収入から必要経費を引いた儲けである所得金額が、医療費控除や基礎控除など各種控除の合計よりも少ない場合、要するに、赤字になる場合は、しなくてもいいんです。
あべ えぇっ、そうなんですか!? 義務なんだと思ってた! でも、それはなぜ?
宮原 税額がないから。
あべ そっか……!
宮原 大前提としては「赤字なら確定申告しなくていい」ということにはなるんですが、その代わり、市区町村に住民税(市民税や都民税・県民税など)の申告はする必要があります。これをしておかないと、非課税証明がでなかったりするんです。
あべ 確定申告しなかった場合、住民税は何を元に計算するんですか?
宮原 通常は、所得税で申告した内容、つまり、収入から必要経費を引いた額や各種控除などがそのまま市区町村に回ります。なので、所得からの計算です。
あべ 所得0で住民税を申告するっていうことですか?
宮原 そう。住民税も申告しないとなると、無申告の状態になります。本当に赤字の人は均等割なんかも出ないのでよいのですが、実際に数字の出る人だったらそれは無申告、ということになります。
あべ じゃあ、赤字だったらみんな確定申告やめちゃえばラクですね!
宮原 でも、損することがたくさんあります。とくに気をつけたいのは青色申告の人。まずは事業自体が赤字で税額が出ないという人が申告しなかったら、青色申告の特典の3年間赤字を繰り越せる「純損失の繰越控除」が使えません。 純損失の繰越控除は確定申告することが要件だからです。
あべ 申告することではじめて赤字を繰り越せるんですね。
宮原 あとは、65万控除。65万控除をすることによって税額がゼロになるという人も、無申告だと65万控除自体を使えません。そうなると実は税金が出るということになります。申告して初めてゼロになるというケースは割とあるんですよ。
あべ ほんとだ、ソンする……。
宮原 「得になること」は申告することが要件であることが多いので、申告する必要がなくても申告しておいたほうがいいということがいえます。また、当然ですがフリーランスなどで源泉徴収されている人は、申告しないことには税金は返ってきませんからね。
あべ 子ども「医療費助成」っていうのは?
宮原 それも、所得に制限があったりしますし、そもそもの国保なんてのも所得の申告がないと保険料の減免とかしてくれませんから。
あべ 確定申告、トクしたいならやっておけ!……ってことですね。
(次ページ「平成26年分から始まった白色申告の「記帳義務化」って何?」ヘ続く )