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情報の取り扱い説明書 2015年版 第10回

われわれに取り巻く情報の性質を考察してみる

ドローンやウェアラブル、Netflixから見る情報のもどかしさ

2015年09月04日 10時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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ウェアラブルによってアップロードされる「身体情報」

 ウェアラブルコンピューターによって情報の吸い上げは間違いなく増大するだろう。しかし、その結果として質の高い情報を享受できる機会も増えるはずである。だが同時に、その寄生情報としての知る必要がなかったことも不可避的に増える。

 前回、シンギュラリティーへのプロセスの中で人間や個人という概念が変容していくと述べたが、近い将来、個人情報=プライバシーという観念も変更をせまられるだろう。

 ウェアラブルコンピューターの登場が人間とコンピューターとの関係のみならず、人間と情報との関係に新たな地平を拓く。良し悪しに関わらず、「身体情報」という新たな情報ジャンルが意識的・無意識的な情報のアップロードの範疇に組み入れられてくるからである。

 次回はコンピューティングと「身体情報」について考察を深めてみたい。

2014年9月の「Apple Watch」発表時に会場で上映されたビデオ「Health and Fitness」。Apple Watchが徹底してこれまでの「知識」という情報だけでなく、身体という情報にアプローチしようとしていることがよくわかる


著者紹介――高橋 幸治(たかはし こうじ)

 編集者。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、1992年、電通入社。CMプランナー/コピーライターとして活動したのち、1995年、アスキー入社。2001年から2007年まで「MacPower」編集長。2008年、独立。以降、「編集=情報デザイン」をコンセプトに編集長/クリエイティブディレクター/メディアプロデューサーとして企業のメディア戦略などを数多く手がける。現在、「エディターシップの可能性」をテーマにしたリアルメディアの立ち上げを画策中。本業のかたわら日本大学芸術学部文芸学科、横浜美術大学美術学部にて非常勤講師もつとめる。

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