格安SIMも快適になったもので実際の速度は混雑時間を除けば数十Mbpsを超えることはザラな現在。快適なあまり、ウェブ閲覧をはじめいろいろやっていると、速度が速いだけに容量がどんどん消費されてしまう。
しかも、スマートフォンの画面が大きくなり、スマホ向けではなくPC用のページばかり見るようになると、加速度的に容量を消費するようになる。
そこで、容量を超えた後にやってくる速度制限はどの程度のものなのか、今回はアプリで低速モードに切替えた後、速度を計測し、あわせて使用感を比較してみた。
200kbpsでもウェブページを見るだけなら問題ない?
今回試したのは3社の格安SIM。ドコモネットワークではおなじみの「OCN モバイル ONE」と「IIJmio」。さらにauネットワークを使った「mineo」だ。この3社はいずれも契約した高速通信容量を超えた場合などに適用される低速時の速度は最大200kbpsとなっている。
200kbpsがどれだけの速度なのかはあちこちで報じられているが、軽い容量のウェブページではスマートフォンで閲覧している限り、ほとんど気にならない速度。しかし、重い容量のページ、例えば画面いっぱいに複雑な写真が掲示されていたり、画像の多いページなどは遅いということは感じられる。
具体的にはASCII.jpのページを200kbpsの制限のある状態で閲覧すると、パッっと表示されず、画像が少しずつ表示されることがわかる。
高速モードに戻してみると、やはりパッと表示される。それが実際に支障があるかというとそうではなく、あまり気にならない程度。
しかし、Googleマップの航空写真表示では目に見えて表示の遅さを感じるし、画像の多いページの表示では、それなりに時間がかかることをはっきりと体験する。
早朝は混雑がなく快適!
今回は早朝7時前後の住宅地、昼時ど真ん中となる12時30分頃の渋谷駅近くの繁華街、そして昼休みも落ち着いた14時少しすぎの3回で計測してみた。
まずは早朝。トップスピードが制限されているだけあって、各社ともあまり変化がない。下りは0.25Mbps程度であり、上りは0.3Mbpsから0.4Mbpsくらい。実際にウェブサイトを閲覧しても、遅いという印象はあるものの、安定的に流れてきており、データが遅延しているような感じは受けない。
この時間帯であれば、速い格安SIMでは30~40Mbpsは当たり前に出る。非常に順調な中で速度を絞っただけならば、遅いながらも安定して通信できることがわかった。
0.1Mbps台まで速度が下がる昼時
高速モードのような極端な違いはでないが、昼時のピークと言われる12時30分ごろには低速モードでも数字が落ちこんでいる。例えばIIJmioは200kbpsの上限に対して、下りは若干低い0.16Mbpsを記録している。また、mineoも0.19Mbpsと他の時間帯に比べて落ち込んでいる。
数値だけ見ればそれほど落ち込んでいる印象を受けないが、実際にウェブサイトを閲覧してみると、少しひっかかる感じを受け、早朝との差を速度差以上に感じられる。
この時間帯は、格安SIMとしての速度よりもインターネットの向こうのウェブサーバーの混雑ということも考えられるが、快適とはいえない状況。速度計測でも途中で止まってしまいエラーが出ることもあった。
それなりに遅くはなるものの、高速モードではもっと極端な速度の落ち込みがあることに比べれば、低速モードではその落差は小さい。ある意味、サクサク表示を最初から期待しない分、低速モードのほうが昼どきの混雑ピークはイライラしないのかもしれない。
低速モードでも午後になると快適さが戻る!
高速通信モードでは、ランチタイムが終われば一気に通信速度が回復するが、低速モードでも同じく快適さが回復する。
数値の上では若干の改善にしかなっていないように見えるが、数値は早朝の計測並みに戻っている。データの流れは遅いものの、クリックしたらすぐにデータが流れてはじめるところや、画像がたくさんあるウェブページでは、画像の表示が遅いものの、途中で止まることなく連続して表示してくる。
格安SIMごとに見て見ると、IIJmioの上りが少し遅い。上りだけ改善していない理由は不明だが、実際に使ってみると少しだけウェブサイトの閲覧の反応が鈍いように感じた。
(次ページへ続く、「立ち上がりだけ速度制限をかけない IIJmioの低速モードのバースト転送の実力は?」)

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