デルは7月28日、同社 東日本支社(東京都港区)内に「Dell Bigdata / IoTラボ」を開設した。ISV/SIベンダーなどのパートナーとの協業の下、実機環境によるインメモリデータベースや高度な予測分析などのPOC、顧客へのモデルケース(活用シナリオ)の提案、有償のコンサルティングやトレーニングの提供といった活動を行っていく。
Bigdata / IoTラボは、昨年2月に東日本支社内に開設された「Dell GPUソリューションラボ」(関連記事)に次ぐ2番目のラボとなる。デルのサーバー/ストレージ群に予測分析ソフトウェアの「Dell Statistica」などのミドルウェアも組み合わせたビッグデータソリューションの実証環境を、顧客企業やISV/SIパートナーに無償提供する。
同社 エンタープライズソリューション&アライアンス 部長の馬場健太郎氏は、たとえば「SAP HANA」「Cloudera Enterprise(Hadoop+Spark環境)」などのインメモリ技術の導入によって、実際にどのくらいデータ処理が高速になるのかを導入前に検証できる施設だと説明した。
また馬場氏は、企業のビッグデータ活用が拡大していくうえでの課題として、「ビッグデータ活用のゴール(目標)がまだまだあいまい」であることを指摘。同ラボは、業界ごとのビッグデータ活用事例や活用ストーリーを、デモなどを通じて顧客に提案する場でもあるという。
「まずはビッグデータ活用の“ゴールが決まっていない”顧客が多い。こんなことができる、というヒントが得られる場になれば。また“浅く広く”の汎用的なシナリオだけでなく、SIパートナーの協力や顧客との対話を通じて、より深い(個別的、専門的な)ソリューションシナリオも提供したい」(馬場氏)
また、近年のStatisticaなどの買収を通じて、デルが提供できるものがハードウェアにとどまらずミドルウェアも含めた「ソリューション」になっていることを指摘。ラボを通じて、そうした側面も幅広くアピールしていくと述べた。
なお米デルでは6月、産業用/家庭用のIoTゲートウェイ「Dell IoT Gateway」を発表している。これは、センサー/デバイスからデータを収集し、ネットワークエッジでデータの中間処理を行うための小型デバイス。Wyseのハードウェアをベースとしており、LinuxやWindowsが動作する。
馬場氏は、特にIoTやビッグデータのソリューションは「デル一社で提供できるものではない」と語り、パートナーエコシステムも鍵を握ると語った。同ラボでも、パートナーエコシステムの拡大に取り組んでいく。