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夏のベストセレクション2015 第4回

ライター 石井英男がオススメ

今SSDを買うなら省電力性能に優れた「Intel SSD 535」に注目

2015年07月03日 12時00分更新

文● 石井英男 編集●ASCII.jp

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 2015年の夏はこれを買えば間違いなし! 旬のデジギアやおススメ製品をASCII.jpの編集者/ライターが紹介します。
 毎日使いたいスマホやハイレゾヘッドホン、この機会に買い換えたい周辺機器と自作PCパーツ、さらにASCII.jpとしては外せないPCとジャンクフードもバッチリ押さえてます! 記事一覧はこちら

コスパ重視またはノートPC換装を考えている人にオススメ

自作派のみならずノートPCの換装にもオススメのSSD

 フラッシュメモリを記録媒体として利用するSSD(Solid State Drive)は、HDDに比べて、高速で衝撃に強く、消費電力も低いと、いいことずくめのストレージであり、自作派はもちろん、ノートPCなどのストレージ換装用としても人気がある。

 SSDは、競争の激しい分野であり、数多くの製品が登場しているが、私が最近お勧めの製品が「Intel SSD 535」である。Intel SSD 535は、その名の通り、Intel社の製品。Intelといえば、CPUメーカーとして有名だが、フラッシュメモリ生産でも大手であり、自社製フラッシュメモリを採用したSSDのメーカーとしても人気なのだ。

 Intel SSD 535は、SATA 3.0対応のコンシューマー向けSSDであり、2013年7月に発売されたInte SSD 530の後継となる製品だ。フォームファクタは、2.5インチ7mm厚とM.2の2種類があり、容量は2.5インチタイプが120GB/180GB/240GB/360GB/480GBの5モデル、M.2タイプが120GB/180GB/240GB/360GBの4モデルが用意されている。

Intel SSD 535。今回計測に使ったのは2.5インチタイプ240GBモデル

 この製品の特徴は、消費電力が小さく、省電力性能が優れていること。2.5インチタイプのIntel SSD 530のアクティブ時の消費電力は195mW、アイドル時の消費電力は125mWだったのに対し、Intel SSD 535では、アクティブ時の消費電力が165mW、アイドル時が55mWと、それぞれ削減されている。特にアイドル時の消費電力は、Intel SSD 530の半分以下と大きく減っており、ノートPCなどのバッテリー駆動時間の延長が期待できる。

 公称スペックは容量によっても異なるが、240GBモデルの場合、シーケンシャルリードが最大540MB/s、シーケンシャルライトが最大490MB/s、ランダムリード(4KB)が最大4万1000IOPS、ランダムライト(4KB)が最大8万IOPS。

 パフォーマンスは、Intel SSD 530と同じだが、SATA 3.0対応の メインストリーム向けSSDとしては、十分な性能といえるだろう。

Intel SSD 535の背面

とにかくコスパを求める人に!

 そこで、Intel SSD 535の2.5インチタイプ240GBモデルの性能を実際に計測してみた。テスト環境は以下に示した通りだ。

テスト環境
CPU Intel「Core i3-4130T」(2.9GHz)
マザーボード ASRock「Z97 Anniversary」(Intel Z97 Express)
メモリー DDR3-1600 4GB×2
ビデオカード Radeon HD 5770
システムHDD Western Digital「WD10EADS」(1TB)
OS Windows 8.1 Pro Update 64bit

 ここでは、定番の「CrystalDiskMark 4.0.3」を利用して、Intel SSD 535の基本的な性能を計測した。

 結果は下の画面の通りで、デフォルトのランダムデータでは、Q32T1のシーケンシャルリードが553.7MB/s、シーケンシャルライトが267.5MB/s、Q32T1の4Kランダムリードが310.1MB/s、4Kランダムライトが229.6MB/sという結果になった。シーケンシャルリードは公称よりも高く、非常に優秀だが、シーケンシャルリードが公称の半分強しか出ていない。

CrystalDiskMark 4.0.3のランダムデータでの結果

 そこで、書き込むデータを全て0にする「0Fill」で計測したところ、Q32T1のシーケンシャルリードが555.5MB/s、シーケンシャルライトが528.9MB/s、Q32T1の4Kランダムリードが317.4MB/s、4Kランダムライトが340.3MB/sという結果になった。

 リードはシーケンシャル、ランダムともにほとんど変わっていないが、ライトはランダムデータのときに比べて大きく向上しており、特にシーケンシャルライトは公称を上回っている。ライト性能に関してランダムデータよりも、0Fillのほうが向上している理由は、書き込み時に圧縮を行なっているためと思われる。

 最近は、書き込み時に圧縮を行なうSSDは少数派となっているのだが、Intel SSD 535はデータを圧縮することで、高性能と低コストを両立させているのであろう。一般的なファイルのデータは、0Fillまではいかないが、ある程度圧縮が効くことが多いため、実際の性能は公称値に近いと推測される。

CrystalDiskMark 4.0.3の0Fillでの結果

 Intel SSD 535は、このようにメインストリーム向けSSDとして十分な性能を持ちながら、大手メーカー製品としては実売価格も比較的安く、コストパフォーマンスは高い。MTBFは120万時間で、製品保証も5年と長く、信頼性も十分だ。最高性能を求めるユーザー向きではないが、消費電力が小さいことも魅力であり、ノートPCのHDDをSSDに換装したいという人には特にお勧めしたい。

Intel SSD 535(2.5インチ)の主なスペック
容量 120GB 180GB 240GB 360GB 480GB
シーケンシャルリード 540MB/S 540MB/S 540MB/S 540MB/S 540MB/S
シーケンシャルライト 480MB/S 490MB/S 490MB/S 490MB/S 490MB/S
ランダムリード(4KB) 2万4000IOPS 4万1000IOPS 4万1000IOPS 4万5000IOPS 4万8000IOPS
ランダムライト(4KB) 8万IOPS 8万IOPS 8万IOPS 3万3000IOPS 3万7000IOPS
MTBF(平均故障間隔) 120万時間 120万時間 120万時間 120万時間 120万時間
接続インターフェース SATA 6Gb/s SATA 6Gb/s SATA 6Gb/s SATA 6Gb/s SATA 6Gb/s
厚さ 7mm 7mm 7mm 7mm 7mm
重量 約78g 約78g 約78g 約78g 約78g
消費電力 165mW 165mW 165mW 165mW 165mW
アイドル時 55mW 55mW 55mW 55mW 55mW
実売価格 1万円前後 1万3500円前後 1万8200円前後 2万7000円前後 3万4600円前後

プロフィール:石井英男

 PC/ITライター歴20年を超えるが、本人はまだまだ若手(?)のつもり。最近は娘や息子と一緒にTCGにはまっている。基本的にモバイルPC好きで、3DプリンターやHMD、ドローンといった最新ガジェットの話題も大好物だ。

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