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夏のベストセレクション2015 第10回

ASCII.jp編集部 カイツカがオススメ

夏、暑くても出かけたくなるカメラ「FUJIFILM X-T10」

2015年07月24日 12時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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 2015年の夏はこれを買えば間違いなし! 旬のデジギアやおススメ製品をASCII.jpの編集者/ライターが紹介します。
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夏は苦手だが、夏の雰囲気は好き

夏でも出かけたくなるカメラ

 夏が苦手だ。気温が高いのは仕方ないとして、直射日光が頭部に直撃してきて脳が沸騰しそうになるのがたまらなく苦手である。が、苦手と思う反面、夏ならではの娯楽というのもいくつもあるし、暑さを抜きにした「夏の雰囲気みたいなもの」はとてもいいと思う。

 「夏の雰囲気みたいなもの」を具体的に言うと、景色、道ゆく人の服装の感じ、蝉、「氷」と書いてある幟、陽炎、軒先のくたびれた植木とか、そんなものである。そして夏だけの強力な陽射しが落とす濃い影とか、そんなものである(そのために脳が沸騰しそうになるのだが)。そう、夏は風物詩と呼ばれるようなものが多いし、そうでなくとも光線の感じが写真映えするのだ。

 じゃあ、カメラを買ってみたら出かけてみる気にもなるんじゃないか? 私は思った。

レトロクラシックな外観
気の効いた使い勝手

FUJIFILM X-T10

 そういう趣味的な理由でカメラを買う場合、スペックや機能性よりも、テンションとか、気分に影響してくるような魅力が大切であると思う。そうなると、外観のデザインは重要だ。流線型のプラボディー、あるいはマグネシウムボディーも悪くないが、どうも、持った瞬間に「よし、どんどん撮ってやるぞ」という感じになってしまう。

 どんどん撮ってやってもいいのだが、どちらかというと、もう少し力を抜いて、「気が向いたら撮る」「本当は撮らなくてもいいんだけど、撮りたいものがあれば撮る」くらいの感じでいきたい。暑いときに頑張りすぎるのは、あまりよくないと思う。調子が悪くなるから。

 そんな気分にぴたりと合うカメラが富士フイルムから出た。「FUJIFILM X-T10」である。レトロな外観にダイヤルを積極的に採用したインターフェース、APS-Cサイズのセンサー、レンズ交換式。正面から見るとまるでフィルムカメラだが、背面を見れば、チルト対応のディスプレーにビューファインダー。

 そしてペンタ部にさり気なく収納されているポップアップ式のストロボ。あくまでも古風に、しかし無駄なスペースを生まないように、という工夫がいい。これ1台で気軽にスナップをしに行ける工夫が色々と詰め込まれているのである。

キットレンズは35mm判換算で27mm〜84mm

 レンズキットに付属の「フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」は、35mm判換算で27mm~84mmと、色々な場面に対応しやすい仕様。オールガラス製で10群14枚、F値2.8〜4.0と明るめで、さらに手ぶれ補正機能搭載。夕方頃までは、それほどISO感度を上げなくても対応できる。

 このレンズの特徴のひとつとしてメーカーがうたっているのが、「色収差の抑制」なのだが、これは撮影した画像を見てみると、よく実感できる。

 特に空を撮るとレンズの特性が顕著に表れて、端から端まで非常になめらかなグラデーションで表現してくれる。

 また、猫の毛のように細かいものが密集している被写体にも強く、きちんとつぶれずに一本一本をリアルに描写してくれる。

 チルト式のディスプレーを活かして、思い切りローアングルにして撮るのも面白い。とにかく目に付いたものを気軽に撮っていって後で見返してみると、そのとき目で見たのに極めて近い光景がきちんと写真になっているというのが面白い。X-T10を買えば暑くて外に出るのが億劫な夏でも、「ちょっと出かけてみるか、ついでに写真でも撮るか」または「写真でも撮るか、ついでに出かけるか」となるかもしれない。夏嫌いを克服できそうなカメラである。

  富士フイルム「X-T10」
有効画素数 1630万画素
撮像素子 APS-C
シャッタースピード 1秒~1/32000秒(電子シャッター時)
感度 ISO200~6400
サイズ およそ幅118.4×高さ82.8×奥行き40.8mm
重量 381g(本体、バッテリー除)

編集部 カイツカ

 ASCII.jpでPC、オーディオなどを担当。苦手な季節は夏。好きなかき氷の味は抹茶とみぞれ。


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