2015年の夏はこれを買えば間違いなし! 旬のデジギアやおススメ製品をASCII.jpの編集者/ライターが紹介します。
毎日使いたいスマホやハイレゾヘッドホン、この機会に買い換えたい周辺機器と自作PCパーツ、さらにASCII.jpとしては外せないPCとジャンクフードもバッチリ押さえてます! 記事一覧はこちら。
自作派のみならずノートPCの換装にもオススメのSSD
フラッシュメモリを記録媒体として利用するSSD(Solid State Drive)は、HDDに比べて、高速で衝撃に強く、消費電力も低いと、いいことずくめのストレージであり、自作派はもちろん、ノートPCなどのストレージ換装用としても人気がある。
SSDは、競争の激しい分野であり、数多くの製品が登場しているが、私が最近お勧めの製品が「Intel SSD 535」である。Intel SSD 535は、その名の通り、Intel社の製品。Intelといえば、CPUメーカーとして有名だが、フラッシュメモリ生産でも大手であり、自社製フラッシュメモリを採用したSSDのメーカーとしても人気なのだ。
Intel SSD 535は、SATA 3.0対応のコンシューマー向けSSDであり、2013年7月に発売されたInte SSD 530の後継となる製品だ。フォームファクタは、2.5インチ7mm厚とM.2の2種類があり、容量は2.5インチタイプが120GB/180GB/240GB/360GB/480GBの5モデル、M.2タイプが120GB/180GB/240GB/360GBの4モデルが用意されている。
この製品の特徴は、消費電力が小さく、省電力性能が優れていること。2.5インチタイプのIntel SSD 530のアクティブ時の消費電力は195mW、アイドル時の消費電力は125mWだったのに対し、Intel SSD 535では、アクティブ時の消費電力が165mW、アイドル時が55mWと、それぞれ削減されている。特にアイドル時の消費電力は、Intel SSD 530の半分以下と大きく減っており、ノートPCなどのバッテリー駆動時間の延長が期待できる。
公称スペックは容量によっても異なるが、240GBモデルの場合、シーケンシャルリードが最大540MB/s、シーケンシャルライトが最大490MB/s、ランダムリード(4KB)が最大4万1000IOPS、ランダムライト(4KB)が最大8万IOPS。
パフォーマンスは、Intel SSD 530と同じだが、SATA 3.0対応の メインストリーム向けSSDとしては、十分な性能といえるだろう。
とにかくコスパを求める人に!
そこで、Intel SSD 535の2.5インチタイプ240GBモデルの性能を実際に計測してみた。テスト環境は以下に示した通りだ。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i3-4130T」(2.9GHz) |
マザーボード | ASRock「Z97 Anniversary」(Intel Z97 Express) |
メモリー | DDR3-1600 4GB×2 |
ビデオカード | Radeon HD 5770 |
システムHDD | Western Digital「WD10EADS」(1TB) |
OS | Windows 8.1 Pro Update 64bit |
ここでは、定番の「CrystalDiskMark 4.0.3」を利用して、Intel SSD 535の基本的な性能を計測した。
結果は下の画面の通りで、デフォルトのランダムデータでは、Q32T1のシーケンシャルリードが553.7MB/s、シーケンシャルライトが267.5MB/s、Q32T1の4Kランダムリードが310.1MB/s、4Kランダムライトが229.6MB/sという結果になった。シーケンシャルリードは公称よりも高く、非常に優秀だが、シーケンシャルリードが公称の半分強しか出ていない。
そこで、書き込むデータを全て0にする「0Fill」で計測したところ、Q32T1のシーケンシャルリードが555.5MB/s、シーケンシャルライトが528.9MB/s、Q32T1の4Kランダムリードが317.4MB/s、4Kランダムライトが340.3MB/sという結果になった。
リードはシーケンシャル、ランダムともにほとんど変わっていないが、ライトはランダムデータのときに比べて大きく向上しており、特にシーケンシャルライトは公称を上回っている。ライト性能に関してランダムデータよりも、0Fillのほうが向上している理由は、書き込み時に圧縮を行なっているためと思われる。
最近は、書き込み時に圧縮を行なうSSDは少数派となっているのだが、Intel SSD 535はデータを圧縮することで、高性能と低コストを両立させているのであろう。一般的なファイルのデータは、0Fillまではいかないが、ある程度圧縮が効くことが多いため、実際の性能は公称値に近いと推測される。
Intel SSD 535は、このようにメインストリーム向けSSDとして十分な性能を持ちながら、大手メーカー製品としては実売価格も比較的安く、コストパフォーマンスは高い。MTBFは120万時間で、製品保証も5年と長く、信頼性も十分だ。最高性能を求めるユーザー向きではないが、消費電力が小さいことも魅力であり、ノートPCのHDDをSSDに換装したいという人には特にお勧めしたい。
Intel SSD 535(2.5インチ)の主なスペック | |||||
---|---|---|---|---|---|
容量 | 120GB | 180GB | 240GB | 360GB | 480GB |
シーケンシャルリード | 540MB/S | 540MB/S | 540MB/S | 540MB/S | 540MB/S |
シーケンシャルライト | 480MB/S | 490MB/S | 490MB/S | 490MB/S | 490MB/S |
ランダムリード(4KB) | 2万4000IOPS | 4万1000IOPS | 4万1000IOPS | 4万5000IOPS | 4万8000IOPS |
ランダムライト(4KB) | 8万IOPS | 8万IOPS | 8万IOPS | 3万3000IOPS | 3万7000IOPS |
MTBF(平均故障間隔) | 120万時間 | 120万時間 | 120万時間 | 120万時間 | 120万時間 |
接続インターフェース | SATA 6Gb/s | SATA 6Gb/s | SATA 6Gb/s | SATA 6Gb/s | SATA 6Gb/s |
厚さ | 7mm | 7mm | 7mm | 7mm | 7mm |
重量 | 約78g | 約78g | 約78g | 約78g | 約78g |
消費電力 | 165mW | 165mW | 165mW | 165mW | 165mW |
アイドル時 | 55mW | 55mW | 55mW | 55mW | 55mW |
実売価格 | 1万円前後 | 1万3500円前後 | 1万8200円前後 | 2万7000円前後 | 3万4600円前後 |
プロフィール:石井英男
PC/ITライター歴20年を超えるが、本人はまだまだ若手(?)のつもり。最近は娘や息子と一緒にTCGにはまっている。基本的にモバイルPC好きで、3DプリンターやHMD、ドローンといった最新ガジェットの話題も大好物だ。
この連載の記事
-
第12回
PC
20型の4Kタブレット「FZ-Y1CH」はクリエイティブの強い味方になる -
第11回
PC
ゲーマー垂涎のハイエンドビデオカード「GV-N98TG1 GAMING-6GD」 -
第10回
デジカメ
夏、暑くても出かけたくなるカメラ「FUJIFILM X-T10」 -
第9回
PC
“自宅の息抜き”を詰め込んだ、3波&W録&ハイレゾ対応一体型PC -
第8回
トピックス
空腹をダマす、コスパが良いコンビニジャンクは「エビみりん焼き」がオススメ -
第7回
トピックス
バッファローの4×4接続11acWi-Fiルーターは只者じゃない! -
第6回
スマホ
全方位に使える性能怪獣、SIMフリーなら「ZenFone 2」がベストバイ! -
第5回
デジカメ
空撮デビューにオススメ! 「Bebop Drone」で初心者でも滑らかな映像が撮れた -
第3回
AV
“ちょうどいい”音とデザイン、夏ヘッドフォンは「Fidelio F1」で決まり! -
第2回
AV
4Kの4倍、“8K”の精細感を我が部屋に! シャープ「AQUOS 4K NEXT」がほしい!! - この連載の一覧へ