技術が凄い速度で進む中、フィクションで“どうやりかえすか”を考える
── まだまだ話はあると思うのですが、そろそろお時間になってしまいました。最後に1言ずついただいてもいいでしょうか
稲見 「私の研究の1つに光学迷彩があるのですが、それはまさに攻殻機動隊にヒントをもらって作ったものです。そういう意味でも今の私がいるのは攻殻機動隊のおかげですし、研究をするうえで夢をいただいたとおもっています。今後ロジコマやタチコマなどもいろんな人たちと形にできればいいなと思っています」
南澤 「私は攻殻機動隊でいうとリアルタイムで見てないので第2世代かなと思っています。すごくワクワクする世界観が緻密に描かれているので、研究をするうえでそれを超えたいとか、そこで描かれていないものって何だろうと考えるきっかけになっていて、普段も役立たせています」
神山 「物語を作るうえで、研究者の方の本を読んだり取材をしたりして、なるべく絵空事にならない作品をつくろうと思っていたんですけど、逆に攻殻機動隊から逆に研究のヒントを得たと言ってもらえると、我々映画などを作っている人間からするととてもありがたいです。今後ますます相互に並列化しながら皆さんを驚かせる作品をつくれたらなと思っています」
冲方 「テクノロジーがここまで進むのが早いのか、まいったなといった感じです。SFがサイエンスフィクションというより少し不思議程度で、専門家は何が揃えば実現するかというのが分かってきている時に、フィクションでどうやりかえすかを考えています。お客さんが大前提として知っているという状況がないとフィクションはなかなか成り立たないんです。お客さんが知れば知るほど攻殻機動隊みたいな世界観はどんどん広がっていきます。もしかすると、スポーツやラブコメなども攻殻機動隊みたいな世界観でできるかもしれない。こちら側がフィクションとして提示できる幅が広がって、考え付かなかったアイディアを提示できるようになっていかなくてはいけないと思っています」
── みなさんどうもありがとうございました。
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