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カフェ・喫茶ショーの注目展示をおさらい

カフェ経営者向け技術がアツい! コーヒー濃度計や人工野菜工場を見た

2015年06月21日 12時00分更新

文● 四本淑三

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撮影すれば値段がわかる、世界初の「瞬撮会計」システム

 「だって私、パン屋だもん」

 パンを売るといえば、帰ってきたウルトラマン「怪獣使いと少年」の、パン屋のおねえさんを思い出して、涙してしまうのは私だけでしょうか。宇宙人だからと差別されている少年に、それが私の仕事だからと、彼女は笑顔で少年にパンを売ります。ううう……。

 それはともかく、21世紀初頭のパンを売るテクノロジーはすごいことになっていました。

 「BakeryScan(ベーカリースキャン)」はお客さんがトレイに乗せて持ってきたパンを、カメラでスキャンして「メロンパン」「ドーナツ」「ツイストロール」と品種を見分け、合計の代金を計算するというシステムです。つまり、レジの人はパンの種類を覚えなくてもいいし、パンの種類を間違えて計算ミスをしたりしない、ということです。

こんな風にトレイのままスキャンします

パンを識別して料金を計算。すごい

 パンの焼け色の違いや、トッピング素材の位置の違いがあっても、正確に識別できるもだとか。間違って認識しているかもしれないパンは黄色の枠で表示され、正しいパンを選択すると、その結果はデータベースに反映されるので、識別精度も向上するということです。

 POSシステムに撮影ユニット、ソフトウェア、タッチパネル、客面ディスプレー、を取り付けて完成。導入店舗を見てみたら、うちの近所のパン屋さんにもすでに入っていました。

小ロットのパッケージに対応する「みんパケ」

 最近、たまーにコーヒー豆を人からもらうと、個人の焙煎店なのに、綺麗に印刷されたパッケージに入ってきて、へえっと驚くことがありますが、それを可能にするサービスがコレです。

 従来は1万枚単位のロットでしか受け付けられなかったパッケージのオーダーも、デジタルプリンターで小ロット対応が可能になったわけです。「みんパケ」は最小ロット500枚で2万7300円からオーダー可能といいます。

まるで売ってるみたい(当たり前か)な仕上がり。コーヒーだけじゃなく、何か別なものにも使えそうです

 いま東京はカフェブームとかで、日本の昔ながらの喫茶店を参考にしたというアメリカのコーヒーチェーンが進出し、何かと話題を集めています。でも、だったら日本の昔ながらの喫茶店でいいじゃん、と思わなくもありません。チェーン展開する技術は新しいのかもしれませんが、肝心のコーヒーがおいしくなかったらしょうがないわけです。

 個人店の維持や開業を支援する方向で、最新の技術が活かされることを望んでやみません。そして個人用にカッコいい、低コストで、うまいコーヒーが淹れられる、新しい器具の開発も。次回また喫茶・カフェショーが開催されたら、必ず見学に出かけようと思ったのでした。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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