このページの本文へ

今日発売! 大注目の「Surface 3」を詳細レビューだ!!

2015年06月19日 10時00分更新

文● 高橋量、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

新CPU「Atom x7-Z8700」の性能をチェック!

 続いて、Surface 3のパフォーマンス面について見てみよう。Surface 3で採用されているAtom x7-Z8700(1.6GHz)は、開発コード「Cherry Trail」の最新CPU(SoC)だ。製造プロセスルールはBroadwell世代と同じ14nmで、CPUコアにはBay Trailで採用されていたSilvermontアーキテクチャーの次世代版、「Airmont」アーキテクチャーとなっている。さらに、内蔵GPUの実行プロセスが従来の4基から16基へと4倍になっている点も大きな特徴。

 Cherry Trailを搭載したモデルはこのSurface 3が初となるだけに、どれほどのパワーを持っているのか気になる人も多いだろう。

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるCPUの稼働状況。Atom x7-Z8700はクアッドコアで、動作周波数は1.60GHzだ

「CPU-Z」による詳細情報。開発コード(Code Name)に「Cherry Trail」と表示されていることがわかる

CPU性能を計測する「CINEBENCH R15」

 CPU性能を計測する「CINEBENCH R15」の実行結果では、「CPU」のスコアが「124cb」となった。筆者がこれまでに計測してきた範囲内でほかのCPUと比べると、Bay Trail世代のAtom Z3795と同等レベルかやや上、Celeron Uシリーズよりは性能が高く、Core M/Core i3よりは劣るといったところだ。

「CINEBENCH R15」と「CINEBENCH R11.5」ベンチマーク結果

 従来のAtomシリーズと比べると、OpenGLのスコアが倍近く高くなっている。グラフィックス性能については、格段に向上しているといっていい。

3D性能のパフォーマンスを計測する「3DMark」

 そこで、3D性能のパフォーマンスを計測する「3DMark」でチェックしたところ、3Dゲームを快適にプレーできるほどの性能ではないことがわかった。あくまでも、Windows 8.1を快適に利用する上でのサポートとなる程度だ。

「3DMark」ベンチマーク結果

「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」は解像度1280×720ドットの「標準品質(ノートPC)」で「1644」の「設定変更を推奨」という結果だった。最新3Dゲームをプレーするのは、さすがに厳しいようだ

ストレージには省電力なeMMCを採用

 Surface 3には、メモリー容量が2GBでストレージ容量が64GBのモデルと、メモリー容量が4GBでストレージ容量が128GBのふたつのモデルが用意されている。今回試用したのは後者の4GBメモリー/128GBストレージのモデルだ。タブレットとしてライトに使うなら2GBメモリーでも問題ないが、PCとして利用するつもりならメモリーは4GBあったほうがいい。

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるメモリーの使用状況。試用機では4GB搭載されていた

 ストレージにはSSDではなく、eMMCが使われていた。読み込み速度ではHDDよりも高速なのだが、書き込み速度ではHDDよりも遅い点が気になるところ。

 高い生産性が求められるマシンでは読み込み/書き込みともに高速なSSDを使うべきだと筆者は思うのだが、Surface 3のスペック全体から考えると高度な写真加工や動画編集は厳しいので、大容量ファイルを扱わないならeMMCでも十分なのかもしれない。

「CrystalDiskMark」によるストレージのアクセス速度計測結果

試用機のパーティション構成。Cドライブには111.02GB割り当てられていた

試用機ではCドライブに68.6GBの空き容量が残されていた

総合的なパフォーマンスは問題なし
予想以上にサクサク動き、驚かされる

 Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、下記の表のとおりだ。CPUの性能を表わす「プロセッサ」が「6.8」と高く、グラフィックス周りのスコアについてもAtomシリーズとしては高めの結果が出ている。

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果
プロセッサ(CpuScore) 6.8
メモリ(MemoryScore) 5.9
グラフィックス(GraphicsScore) 5.2
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) 4.8
プライマリハードディスク(DiskScore) 6.95

 「PCMark 8」の「Home conventinal 3.0」の結果は「1508」とそれほど高いスコアではない。だが、Bay Trail世代のCPUを搭載したモデルではスコアが1100〜1200程度だったことを考えると、性能は確実に向上している。特に3Dグラフィックス性能が影響する「Casula Gaming」が「14.7fps」とかなり向上した。だが、CPUへの負荷が高くなる画像処理やエンコード関連のスコアが低く、全体的にはやや低めの結果となった。

「PCMark 8」の「Home conventinal 3.0」ベンチマーク結果

 また、スクリーンショット右側のグラフを見るとおわかりにように、ベンチマーク中は動作周波数が安定しておらず、ワークロードによっては動作周波数が500MHz以下にまで低下することが何度かあった。かなり細かな電源管理が行なわれていると思われる。

 実際にWindows 8.1を使ってみた限りでは、パフォーマンスは悪くはない。予想以上にサクサク動き、少し驚いたというのが正直な感想だ。Atomというと動きがモッサリしているイメージがあるかもしれないが、Surface 3ではWindows 8.1の操作もアプリの起動時もキビキビと動作する。よっぽど負荷の高い作業を行なわない限り、日常的な作用なら快適に利用できるはずだ。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン