シンプル/自動化/アジャイルが鍵――バンコク・ATF 2015レポート
アバイアがタイで語った、最新のアプリ開発基盤とSDNソリューション
2015年05月29日 14時00分更新
データセンター内だけでなくユーザーエッジまで拡張するSDN
アバイアのもうひとつの軸が、SDN/ネットワークファブリックである。同社のSDNコンセプトは、データセンター内にとどまらず、アプリケーションからユーザーエッジのデバイスまで、エンドトゥエンドでシンプルにSDNを実現するというものだ(関連記事)。さまざまなコミュニケーションを支える基盤として、
同社ソフトウェアディファインドアーキテクチャ担当幹部のジーン・タージョン氏は、今年3月に発表した「Avaya SDN Fxアーキテクチャ」を中心にネットワークソリューションを紹介した。
タージョン氏は、クラウド化によるアプリケーションの変化、サービス中心型の仮想化の浸透、多様なデバイスを介したコミュニケーション/エンゲージメントへの需要、ビデオコミュニケーションの品質、スマートシティ/IoT市場の拡大とセキュリティへの要請といった、現在進むいずれの動きにおいても「結局は『SDN』がテーマになる」と語る。
「しかし、旧来のネットワークは構造が複雑化しており、しかも多数のプロトコルの積み重ねにより実現されている。ネットワークのアジリティが低いため、(上述したような)ビジネスニーズの変化に追いつかず、足を引っ張っている。このギャップをどうやって埋めればいいか?」(タージョン氏)
その解としてアバイアが提案するのが、SDN Fxアーキテクチャである。単一の標準プロトコル(SPB:Shortest Path Bridge)でネットワーク仮想化を実現する「Avaya Fabric Connect」技術をベースに、自動化されたコア、オープンなコントロールプレーン、シンプルな接続が可能なエッジにより構成される。
3月の発表では、プラグアンドプレイで医療機器や製造機械、支店のスイッチなどをファブリックに接続する「Open Networking Adopter(ONA)」、ファブリックの拡張性を高める新機能「Fabric Extend」、他のSDN/クラウドオーケストレーターとのオープンなインタフェースを持つSDNコントローラー「Fabric Orchestrator」が追加されている。
タージョン氏は、グローバルではすでに300を超える本番ネットワークでAvaya Fabric Connectが実装されていると語った。「昨年のイベントでは100だったが、急速に伸びている」(同氏)。多くの顧客事例も紹介され、たとえば日本では仙台市交通局で導入されている。
「シンプルさ、自動化、オーケストレーション、仮想マシンのモビリティ、アプリケーションのプロファイリング、ビジネス継続性、セキュリティの向上――。こうした特徴がすべて、しかもすでに製品として入手できる」(タージョン氏)
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以上、今回はアバイアの主要ソリューション群について、その最新動向と狙いをお伝えした。次回は、今年1月に日本アバイアの社長に就任した川上佳樹氏にインタビューした、日本市場におけるアバイアの戦略などを紹介する。