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「目からビーム」がドバドバ打てる! 視線追跡付きVRHMD「FOVE」をかぶった

2015年05月21日 16時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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目だけで操作できるのが新感覚
VR酔いも軽減できる

 さて、VRHMDはスペックだけではその良し悪しがわからず、体験してみないと語れない製品ジャンルだ。記者発表会では、目線で敵をロックして撃ち落としていくという360度シューティングゲームをデモしていた。小島CEOによれば、「Xmenのサイクロプスをイメージしてつくったコンテンツ」とか。

 トークセッションに招待された女優の池澤あやかさんは、体験について「自分が超人になった気持ち。本当にいままで体験したことのないゲームが出てくるように感じた。手で遊ぶのより違和感があるのかと思ったけど、全然そうじゃなかった」と絶賛のコメントをよせていた。

FOVEを体験する池澤さん

 VRHMD大好きマンな筆者も試したところ、目線追従があることで既存のVRHMDとはジャンルが別という印象を受けた。

 順を追って説明していくと、FOVEではまず正確に目線を追うために、目の動く範囲をキャリブレーションする必要がある。HMDをかぶってディスプレー中央に自分の片目が表示され、目が認識されていることがわかったら、その周囲に現れる緑色の丸を見つめ続ける。あとは緑色の丸が次の位置に移動するので、左下、左、左上、中央上、右上……と8ヵ所すべてで視線を合わせていけばOKだ。その間、約20秒ほどだろうか。

 実は筆者は今年3月、Game Developers Conference 2015(GDC)を取材した際、FOVEの米国オフィスを訪れて実機をかぶったのだが、その際は目が細くて、まつげが長いという条件のせいでキャリブレーションがうまくいかなかった。今回はHMDをかぶった際、目を上向きにしておくと認識されやすいというアドバイスをもらって、無事キャリブレーションできた。

こんな感じで緑丸を追ってキャリブレーションする

 ゲームが始まれば、あとは敵を探して見つめると、勝手に自機がビームを撃ってくれる。一応、360度の全方向にゲームの映像は描画されているが、敵が出現するのは基本正面だけなので、プレー中はずっと前を向いた状態で目をキョロキョロするだけでどんどん攻撃していける。追従性も良好で、意図したところにきちんとビームが打てていた。

操作は見るだけでOK

 そうして気付くのは、目だけで操作できることの快適さだ。一応、ほかのVRHMDでも画面の中央にポインターを用意し、頭を動かして対象に合わせることで何かアクションを起こすことが可能だが、FOVEは不動の状態でも目でどんどん指示していける。首を振らずに済むということは、単純に疲れにくいし、HMDがズレてピントがぼやけてしまうことも防げる。

 小島CEOによれば、「基本的に今のHMDは、頭の動きや傾きで照準を合わせているけど、私たち日常生活ではあまりそういう動きをしないので気持ち悪くなってしまう。目なら多少動かすだけなので、VR酔いを軽減できる」という効果もあるとか。

 FOVEは、外部カメラを使ってユーザーの頭が空間のどこにあるか検知する「ポジショントラッキング」を提供していないものの、今回のデモのようにあまり首を回さずに済むVRコンテンツなら必要ないだろう。ちなみに首を左右に素早く振って映像の追従性をチェックしてみたところ、映像ブレ(ジャダー)がやや気になったが、これもあまり頭を振らなければ問題にならない。

 VRHMDは目を覆ってしまうため、テーブルの上に置かれたコントローラーを探すのにも着脱が必要になって面倒だが、視線追跡があればそうした手間も解消できる。筆者的には寝ながらFOVEをかぶって、目で操作しながら映像作品を見る……みたいなぐーたらスタイルに使ってみたいと感じた。

VRHMDなのに、頭をあまり動かさないで済むのがちょっと不思議な感覚だ

 今後のスケジュールとしては、2015年の第三四半期をめどに開発キットを提供していく予定だ。Unity、Unreal Engine、CryENGINEといった、ほかのVRHMDと同じゲームエンジンでSDKを用意するので、視線追跡への対応は必要になるものの、既存のVRコンテンツの移行も実現できそうだ。VRHMDが次々と名乗りを挙げる中、ユニークな進化をたどっていきそうなFOVEにぜひ注目しておきたい。

左より、小島CEO、目線でピアノを弾く「Eye Play the Piano」プロジェクトで演奏した筑波大学附属桐が丘特別支援学校の沼尻くん、池澤さん



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