サムスンの高級機種は90%超がニセモノ!?
悪徳業者の実態が報道されているため、メーカー再生機までが「こんな会社がメーカー再生機を出してるぞ」とネガティブなイメージで紹介されてしまう。
中国は17%の消費税のような増値税があり、香港や日本や米国などよりもiPhoneが高いため、外国から中国に持ち込むが、「その9割が翻新機」と報じるメディア(当楽網)もある。
購入時に消費者が判別できる方法は「相場より安い」という点だと中国メディア各誌は書く。iPhoneの国別販売台数で中国がアメリカを越え、中国でのiPhoneニーズはますます高まっている。ニーズが高まれば悪徳業者が登場するのがお決まり。中国で安すぎるiPhoneは罠なので、買わないほうがいい。
一方、Android搭載スマートフォンでは翻新機もあるが、相変わらず山寨機(ニセモノ)のほうが問題だ。だが、その数は減少しているという。2015年第1四半期にユーティリティーアプリ「安兎兎(Antutu)」のニセモノチェック機能で検出された山寨機は240万台で、前年同期比の318万台に比べればだいぶ減少した(絶対数は非常に多いが)。
セキュリティベンダーの「奇虎360」は、安兎兎と競合する同社のユーティリティーアプリ「魯大師」で検出されたニセケータイについてのレポート「2014年中国山寨手机研究報告」を発表した。奇虎360がリリースする魯大師は、793ブランドの5930のモノを識別できると自負している。
魯大師を使ってユーザーがチェックした1738万台のスマートフォンのうち、3.3%にあたる58万台弱が山寨機であるという(つまり利用数からみれば安兎兎のほうが利用されているようだ)。
メーカー別では、サムスン(32万台強、山寨機の55.6%)がもっとも多く、小米(11万台弱、同18.5%)、HTC(6万台強、同10.4%)と続くが、HTCはそれほどシェアがあるわけではないため、HTC製の8台に1台はニセモノという事態に。ファーウェイやレノボなどもあるが、数としては多くない。
機種別では、小米は安価なファブレットの「紅米Note」(ニセモノ率17.7%)、HTCはフラッグシップの「HTC One M8」(同46.4%)と多い。サムスンはというと、20万円(1万元)以上もする富豪向け折り畳み式スマートフォン「W2015」(94.3%。1000台で943台がニセモノ!)と「W2014」(64.7%)のニセモノ率が極めて深刻だ。
都市別では、山寨機が多いほうから広州、重慶、深セン、北京、鄭州であり、産地の広東省はもとよりどこでも山寨機をつかまされる可能性がある。ただ傾向としては、広東省を除けば、大都市よりは中小都市(平均でニセモノ率は10%)のほうがニセモノ率が高い。
奇虎360は山寨機購入は「間違って買った時のお金のロスが大きい」「製品のクオリティーが低い」「販売後保証がない」「トロイの木馬やバックドアが仕込まれているのでプリペイドでチャージされた金が吸い取られがち」「爆発する」と警告している。
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