REDEFINEの次へ!EMC WORLD 2015レポート 第1回
最速の成長率を誇るXtremIOは最新版「4.0」を投入
EMC WORLD 2015で第3のコンバージドインフラ「VxRACK」発表
2015年05月05日 23時17分更新
性能にデータ保護もプラスした「XtremIO 4.0」
オールフラッシュアレイ「XtremIO」の最新バージョン「XtremIO 4.0」も投入された。“野獣(BEAST)”という愛称で呼ばれるXtremIO 4.0では、「X-Brick」と呼ばれる40TBのクラスターを最大8ブロックまで拡張できるようになった。オンラインでの拡張も可能になり、ダウンタイムなしで、アプリケーションのリバランシング(再配置)が行なわれる。最大6倍のインライン重複排除により、最大で1920TBの容量を実現している。
パフォーマンスに関しては、8ブロックで120万IOPSを実現。EMC コアテクノロジーディビジョン プレジデントのガイ・チャーチワード氏は、「リードでは200万IOPSで、遅延も1ミリ秒を一貫して提供する」とアピール。アレイごとのホスト数や取得できるスナップショットの数も増加しており、高いスケーラビリティを実現する。
これまでXtremIOではおもに性能面にフォーカスしていたが、今回のバージョンアップではデータ保護を強化。「RecoverPoint」をベースとしたデータ保護が搭載され、他のアレイへのレプリケーションが可能になった。運用管理も向上し、XtremIO Management Serverで複数のクラスターを統合管理できるようになったほか、操作履歴やレポーティング機能も強化された。
壇上ではXtremIO 4.0の稼働中にディスクを抜いたり、ダイナマイトに火を付けると爆音とともに煙が上がるといった派手なアトラクションも行なわれ、可用性や信頼性をアピールされた。
リリース以来、XtremIOは非常に速いスピードで成長を遂げているという。基調講演では、VMwareやData Domainに比べても、はるかに早く10億ドル規模に届くというデータも披露。ゴールデン氏は、「オールフラッシュアレイの市場ではアーキテクチャが重要。XtremIOはスケールアウトで、すべてのデータサービスがインラインで機能する」とアピールした。なお、XtremIO 4.0は無償でのアップグレードが可能となっている。
Data Domain DD9500発表とVMAX3のアーキテクチャ刷新
その他、バックアップアプライアンスのData Domainのハイエンドモデル「Data Domain DD9500」も発表された。競合の同等製品に比べ、性能面で1.5倍となる58.7TB/H、容量で4倍となる1728TBを実現。また、PivotalやClodera、HortonWroksなどHadoopやNo SQL系のアプリケーションのデータ保護にも対応した。
ハイエンドストレージであるVMAX3もアーキテクチャを刷新された。データ保護(TimeFinderやSRDF)や階層化管理(FAST.X)などのデータサービス部分がI/O処理部分と分離され、サードパーティの製品の利用が可能になった。
また、SLO(Service Level Objective)概念の導入により、サービスレベルの選択により運用管理の設定が容易に行なえるようになった。基調講演では11歳の少年が30秒足らずで設定を完了するというデモが行なわれ、設定の容易さがアピールされた。さらに階層化管理も強化され、性能を重視したワークロードをXtremIOに回したり、EMC CloudArrayによって階層化管理の範囲をクラウドまで拡張することが可能になった。VxRACKやXtremIOに隠れている印象があるものの、かなり大きなアップグレードが施された印象だ。
初日の基調講演を見る限り、例年にも増してショー要素の高いEMC WORLD 2015。ASCII.jpでは引き続きEMC WORLD 2015の模様をお伝えする。
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