ブラウザ「Spartan」が新ビルドに搭載
設定関連が大きく変更された
Windows 10のテクニカルプレビューは、3月30日(米国時間)にBuild 10049が公開された。システム的にはその前のBuild 10041と変わらないが、新しいウェブブラウザ「Spartan」(コード名)が搭載された。
テクニカルプレビューのビルド番号が増えるにつれ、段々と完成に近づいてきた感じがある。内部的な部分での改良も進んではいるようだが、外から見える部分としては、
・設定関連
・Spartanブラウザ
・タブレットモード(Continuim)
などがある。
Windows 8では、モダンUI環境関連の限られた設定のみが「PC設定」にあり、大半は、デスクトップのコントロールパネルで設定が可能なものだった。
Windows 8の「PC設定」は9カテゴリでサブ項目の数が合計で44個(Windows 8.1 Updateの場合)だったのに対して、Windows 10の「設定」はカテゴリ数が9のままだが、サブ項目は合計で56となっている。
カテゴリは同数ながら分け方に違いがあり、5つの項目は同じだが、残り4項目が違う。目立った点としてはOneDriveが項目から外れ、システム設定からデバイス関連が独立している。
ネットワークカテゴリは、「ネットワークとインターネット」となったが、従来からコントロールパネルにあった「インターネット設定」が含まれているわけではなく、内容的には違わないものの、Windows 8では、「接続」として有線/無線のネットワークなどが1つのサブ項目になっていたものが、「Wi-Fi」「イーサーネット」、「セルラー」「VPN」「ダイヤルアップ」などに分離されている。また、「セルラー」(Windows 8まではモバイルブロードバンド)が利用可能な場合「モバイルホットスポット」サブ項目が表示されるようになる。
ただし、設定に含まれる機能のうちいくつかは、コントロールパネルの各プロパティから開くダイアログを共有している。たとえば、「システム」→「ディスプレイ」→「ディスプレイの詳細設定」にある「ClearTypeテキスト」や「色調整」などは、コントロールパネルの「ディスプレイ」にある「色の調整」や「ClearTypeテキストの調整」(ClearTypeテキストチューナー)などのダイアログが開く。あまり頻度の高くない機能に関しては、このまま従来のダイアログや設定方法を呼び出すような形が残ると思われる。
また、新Buildでは、通知領域のネットワークアイコンで直接、接続可能な無線LANアクセスポイントのリスト(これをVAN:View Avirable Networkということがある)が表示できるようになった。
Windows 8以前でもアクセスポイントのリストは、コントロールパネルの外でポップアップウィンドウでのみ表示するようになっており、多数のアクセスポイントが表示されるような場合、少し外れたところをタッチ/クリックしてしまうと、リストが引っ込んでしまって使い勝手が悪かった。
Windows 10では、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」のページ中でもアクセスポイントのリストが表示されるが、こちらは、標準的なウィンドウであるため、間違った場所をタッチしたとしてもウィンドウが引っ込んでしまうことがない。これに加えて、ポップアップウィンドウでも表示が可能となり、アクセスポイントの数がそれほど多くない場合の使い勝手が向上している。
ただ、ネットワーク関連の設定項目は、まだ、最終段階にない。たとえば「設定」→「ネットワーク」→「Wi-Fi」→「利用できる接続を表示する」を使うと、Windows 8の設定チャームにあった「ネットワーク」が画面左端に表示されてしまう。
ここは、新しく追加された通知領域のアクセスポイントリストが表示されるのが“スジ”なのだろうが、ここは従来のコードを呼び出すままになっているようだ。最終製品では、変わると思われる部分だが、現状のテクニカルプレビューには、このように不要になるであろう機能も表示されないだけで、かなり残ったままになっているのではないかと想像される。
(次ページでは、「そもそもなんで新しいブラウザが必要なのだろうか?」)
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