今回のことば
「経費精算は、従業員の作業負担が大きい。一方、経理担当者は、経費の正当性を検証するために労働集約的な作業を行っている。経費処理プロセスの最適化はすべての企業の課題」(コンカー・三村真宗社長)
作業負担が大きく、申請するほうも確認するほうも面倒な“経費生産”
クラウド型出張・経費精算システム「Concur Travel & Expense」を提供するコンカーが、出張旅費などの経費精算に関するすべての業務を請け負うBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス事業を、NTTデータグループのNTTデータスマートソーシングと共同で推進することを発表した。
2015年9月からサービスを開始。Concur Travel & Expenseを活用して、出張旅費の事前の審査から、経費発生後の経費登録、支払審査までを一括して請け負うサービスとなる。
コンカーの三村真宗社長は、「経費精算プロセスは、従業員に対する作業負担が大きい。経費のルールを理解し、それに準拠した申請や処理を行わなくてはならない。なかには、従業員には悪意がないが、結果として、ルールが守られずに申請や処理が行われているという場合もあり、経理担当者は、経費の正当性を検証したり、ガバナンスを維持したりするために、労働集約的な作業を行っている。経費処理プロセスの最適化はすべての企業の課題である」と前置きし、「今回の提携により、新たなBPOサービスとして提供。経理担当者の労働集約的な作業を削減できるのではないかと考えた」と、新サービスの狙いを語る。
コストを6割減、専任担当者を置くよりも効率的
Concur Travel & Expenseでは、PCだけでなく、モバイルからの申請や処理が可能であり、その際に、ルールに準拠した申請や処理が行われているかといったことをアラームで警告。領収書などの添付もデジタル環境で行えるため、「Concur Travel & Expenseを導入するだけで、約6割の経費関連コストを下げることができる」(三村社長)という。
今回のBPOサービスを利用することで、人件費を費用化。さらに、費用の総額を抑えることができるため、社内に自前で担当者を持つよりもコストを引き下げることができるという。
「さらに、経費情報の分析サービスも提供することで、ガバナンスを強化しつつ、従業員の生産性を担保し、経費コストの最適化が可能になる」とする。
生産性を損なわず、経費コストも最適化できると主張
今回の提携によって、NTTデータスマートソーシングは、Concur Travel & Expenseを導入するユーザーに対して、「コンサルティングサービス」「システム導入サービス」「業務BPOサービス」「サポートサービス」の4つのサービスを提供することになる。
これらのサービスを通じて、企業の社内規定の見直し提案や、経費支出傾向の分析、経費履歴データの分析を行い、不正利用の疑いを検出サービスなどを提供。請求書や領収書をもとにシステムへのデータ入力や、申請に対する規定違反チェックなどの審査、社員からの問い合わせに対応するユーザーヘルプデスク機能などを提供することになる。
両社では、初年度に20社、今後3年間で100社の受注を計画。20億円の売上高を目指す考えだ。
「当初3年間は1000人以上の企業、4年目以降は1000人未満の企業をターゲットにする。将来的には、グローバル展開を計画している。グローバル企業において、それぞれの国の言語、それぞれの国のルールに準拠した形で、全世界で業務プロセスの標準化、経費情報の可視化ができるようになる」(三村社長)とする。
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