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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第2回

pixiv・ニコ動ともに投稿数は増加&変動する艦娘人気

祝2周年! 艦これはこれからも拡大を続けていく

2015年04月23日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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 この連載では、独自に収集したデータから、みんな知ってるようで知らないニコニコ動画やpixivの現在を紹介します。今回は本日2周年を迎える「艦隊これくしょん」を取り上げます。連載一覧→第2期第1期

本日、4月23日は「艦隊これくしょん -艦これ-」の2周年記念日。そこでニコニコ動画とpixivのデータを元に、人気の移り変わりをグラフで再確認してみました。8月27日にはPlayStation Vita用ソフト『艦これ改』も発売予定。 (C)2015 DMM.com/KADOKAWA GAMES All Rights Reserved.

筆者紹介:myrmecoleon

 明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β実行委員。趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。記事に使ったデータ元の『ニコニコ統計データハンドブック2015』など同人誌をコミケで頒布。ブロマガでは連載記事の補足も。
 Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった著作に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』(イースト・プレス刊)。左の画像は筆者を擬人化?して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

リニューアル後の記事公開タイミングは?

●毎月上旬公開の記事では……月刊ニコ動人気タグトレンド
●毎月下旬公開の記事では……これまで通り、筆者が独自収集したデータを使ってニコニコ動画やpixiv、コミケなどの現在をグラフで紹介【←イマココ!】

本日2周年を迎える「艦隊これくしょん -艦これ-」

 「艦隊これくしょん」、通称「艦これ」は、角川ゲームス開発、DMM.com配信のブラウザーゲーム。ゲーム内容はプレイヤーが「提督」となり、旧日本軍で実際に活躍した軍艦たちを萌え擬人化した「艦娘」(かんむす)を集めて戦場を攻略していくというもの。

 先週には参加登録300万人突破も発表され、現在も時期を制限した新規登録が続いており、アニメ化もするなど、継続して人気の高いゲームです。この連載でも過去3回取り上げました(第7回第11回第24回参照)。

 「艦これ」は2013年4月23日より開始し、本日ちょうど2周年を迎えます。あらためて2年間にわたる艦これの二次創作の動向をニコニコ動画とpixivから眺めてみたいと思います

6万人が艦これイラストを描くpixiv
未だ拡大の続く艦これ二次創作

 イラスト投稿サイトのpixivは日本におけるネット全体の二次創作の傾向を反映しやすく、艦これはpixivでも投稿の非常に多い作品の1つです。第24回と同じくpixivで「艦隊これくしょん」または「艦これ」のタグの付いたイラストの傾向を分析してみます。以下、データは2015年4月16日早朝時点のものです。

 pixivでは、約6万700名の投稿者が約34万5000のイラストを投稿しています。投稿はコミケ時期(8月・12月)に集中。過去1年では2014年10月頃に投稿数が落ちましたが、冬コミ・アニメ・冬イベントの連続で年末から2015年にかけて復活、2015年3月は2万件を超え、過去最大の投稿数となっています。

 閲覧数の中央値は988、評価点中央値は200。1万閲覧以上が12%ほどです。

 議論百出したアニメですが、放送された1~3月はむしろ艦これイラストの投稿数が増加しています。

2014年4月16日時点でpixivで見られる「艦隊これくしょん」または「艦これ」タグの付いたイラストの月別の投稿イラスト数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数

島風トップ転落 アニメの影響も
変動する艦娘人気

 過去1年のキャラクターごとの月別イラスト投稿数をみてみると、これまでトップだった艦娘「島風」が順位を落としている点が注目されます。

 島風は2013年5月以来継続して艦これイラストで最も多く描かれ続けたキャラクターです。一方でだんだんと島風が描かれる比率は減っていて、第24回では「いつ入れ替わっても不思議がない状況」と評価しました。

 結果として2014年9月には「北方棲姫」人気から2位に、以降は盛り返したものの、2015年になってからは2位3位4位と順位を落としており、ずっと2位につけていた「加賀」にも抜かれています。

 初期は艦これの「顔」のようだった島風でしたが、人気の多様化から年々比率を落とし、ついに加賀や吹雪に抜かれるようになりました。艦これもスタートして2年、プレイヤーも増え、特定のキャラクターが代表するような作品ではなくなっています。

 また投稿数が減った2014年10月頃に動きがあり、初期から継続して上位だった「天龍」「金剛」の順位が落ちてきています。一方で第六駆逐隊の暁・響・雷・電は安定して人気が高く、特に響は2014年に人気を伸ばして島風・加賀と僅差まで上昇、4月前半では島風を抜いて3位です。

 また新規参加艦のイラストが登場直後に急増する傾向も高く、「浜風」「天津風」「港湾棲姫」「龍鳳」「北方棲姫」「プリンツ・オイゲン」「U-511」は登場後上位に入っています。ただし目新しさから描かれる部分が大きいのか、いずれも翌月以降大きく順位を落としているようです。

 また「改二」やバレンタインなどのイベントで新規のイラスト・セリフが追加されたキャラクターも順位を上げる傾向があり、2月と4月前半の「叢雲」の上昇はこのため。

 今年に入ってからアニメが放送された影響も見られ、主人公の「吹雪」はトップ3に迫る投稿数、アニメで取り上げられた「夕立」「如月」「赤城」「金剛」の投稿も増えています(圏外ですが「睦月」の順位も上がっています)。なお吹雪は1月に改二に、夕立は1月に正月イラストが公開された影響もありそうです。

 また3月で20位に「武蔵」が見えるのはポール・アレン氏により海底で武蔵が発見されたニュースのためでしょう。

pixivの艦これイラストに付けられていたタグについて、特定の艦娘等を示すタグを関連付け、タグから艦娘ごとに使用されてるイラストの数を月ごとに調べて並べたもの。比率は月ごとの艦これ作品数で艦娘の作品数を割ったもの。同じく駆逐艦は青、軽巡・雷巡・重巡は緑、空母は紫、戦艦は赤、その他は灰色で示してある。またその月に初めて登場したキャラは赤字で示した。また大鯨と龍鳳など名前の変わる艦娘はいずれかにまとめた。以下同じ

(次ページでは、「1万人以上が動画投稿 ニコニコ動画も投稿拡大」)

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