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今、買うべき春デジギア 2015 第5回

ASCII.jp編集部ニシマキがオススメ

1万円以下で驚きの高音質が鳴るイヤホン『HA-FXH20』はコスパが高い!

2015年03月24日 11時00分更新

文● 西牧/ASCII.jp

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進化ポイント1 耳の奥で音が響き、抜群の遮音性に音質も向上

 JVC独自開発のダイレクトトップマウント構造は、ドライバーをより耳の鼓膜に近い先端部に固定したもの。ハウジング内にドライバーがある一般的なイヤホンより、耳の奥で音が鳴るため、迫力と高解像度を両立した音を体感できる。

 ドライバーは口径5.8mmで小型軽量なダイナミック型を採用。耳の奥にイヤホンがはまりやすいため、密閉感が上がり、遮音性向上の役割を果たす。同時に、耳からはずれにくいという利点も生まれ、外でも心配することなくクリアな音を楽しむことができる。

 これを進化させたのが、今回紹介する「新ダイレクトトップマウント構造」だ。違いはドライバーにチタンコート振動板を採用し、その上に新形状のメタルキャップをかぶせていること。チタンを選んだのは、微小な入力信号に対する反応速度が速くなるからだという。HA-FXH20の振動板はポリエステル製だが、コーティングすることでチタンの持つ伝搬速度とポリエステルの持つ内部損失を両立させている。ノズルに設けられたキャップは剛性が高い金属製で、不要な振動を抑えてくれるので、付帯音の排除が期待できる。

 HA-FXH20はもともとダイレクトトップマウント構造が持っていた、抜群の遮音性と耳の奥でダイレクトに響く効果に、音質に広がりを持たせ、クリアに聴かせる技術を加えたことになる。

新ダイレクトトップマウント構造の分解図。一番外側がメタルキャップでドライバーユニットにかぶさっている。内側に見え隠れしているのが、チタンコート振動板だ

新開発のメタルキャップでは先端中央部分をドーム状に加工することで、音に広がりを持たせているという

進化ポイント2 解像度を上げるドライバーユニット

 進化したもうひとつのポイントは、ドライバーユニット自体に改良を加えた「Hi-SPEEDマイクロHDユニット」だ。先にも述べたチタンコート振動板を駆動するためにドライバーの後方にマグネットを追加し、ダブルマグネット構造にしたもの。

 マグネットを後方に追加するメリットは、ボイスコイルに高い磁力が得られること。チタンコート振動板との組み合わせで微小な入力信号に対するレスポンスが良くなり、入力への反応速度が上がる。ダイナミック型の特性である、迫力ある低域に、バランスド・アーマチュア型の持つ中高域の解像感を両立したようだ。

Hi-SPEEDマイクロHDユニットの分解図。左から専用イヤーピース、メタルキャップ、ドライバーユニット、マグネットという並び

 このようにHA-FXH20には音質向上のための技術が盛り込まれている。なお、新ダイレクトトップマウント構造は兄貴分の「HA-FXH30」と弟分の「HA-FXH10」にも採用されている。HA-FXH20の音に触れる前に、兄弟モデル2機種についても少し見てみよう。

HA-FXH30

HA-FXH10

シリーズトップモデルHA-FXH30にはさらなる音質向上の工夫が……
装着感やカラバリにもこだわりが光るHA-FXH10

 今回、シリーズ全モデルを通してこだわりを感じる点がある。それは装着感にフォーカスをあてた「フィットサポート」だ。耳のくぼみにサポートがあたり、長時間装着しても痛くならないように配慮されている。

 HA-FXH30はさらに音にこだわったシリーズトップモデル。こちらはHi-SPEEDマイクロHDユニットにブラスリングを加え、ハウジングの素材も高比重なものを使用している。この2つとユニット後方のマグネットを合わせ、「トリプルシリンダー構造」を形成し、振動を低減。また、ハウジング上部のバスポートで低音の再生能力も上げている。

真ん中の穴から背圧を抜いて、低域の再生能力を上げているバスポート

HA-FXH30はマグネットの後ろのにブラス(真鍮)リングを入れ、ハウジングにはグラスファイバーを配合している

 カジュアルモデルのHA-FXH10は音の良さを保ったまま、ライトユーザーに寄っている。新ダイレクトトップマウント構造を採用しながら、価格を抑え、カラバリで選ぶ楽しみを持たせている。特にレッドとグリーンは色鮮やかで、小さい筐体ながらセンスが光る。

フィットサポートはエラストマー素材を使用

HA-FXH10のレッドとグリーン

(次ページでは、「5000円とは思えない音質」)

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