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業界人の《ことば》から第133回

黒字になったのを残念がる、サイボウズ青野社長の真意は?

2015年03月07日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

「あれだけ赤字宣言をしておきながら、黒字になってしまった。今度は絶対に赤字にする」
(サイボウズの青野慶久社長)

むしろ黒字化を残念がるような青野社長

 サイボウズは、2014年度(2014年1月~12月)連結業績を発表した。売上高は前年比14.8%増の59億6500万円、営業利益は92.0%減の2200万円、経常利益は97.3%減の700万円、当期純利益は94.0%減の1100万円となった。

予想に反して、黒字化してしまったとするサイボウズの決算。

 当初見通しは2億円の最終赤字。それが黒字決算になったわけだが、サイボウズの青野慶久社長は、「あれだけ赤字宣言をしておきながら、黒字になってしまった」と、むしろ黒字化したことを残念がるような発言。「よっぽどの赤字を見込まないと、サイボウズは赤字にはならない」と、異例ともいえるコメントを発した。

 2015年度の最終損益は8億円の赤字見通し。「今度は、絶対に赤字にする」と、これも異例のコメントだ。

赤字覚悟で、クラウドの陣取り合戦に勝つ

 こうした発言をする背景には、いま、サイボウズは投資のフェーズにあるとの認識が、青野社長自身持っている点が見逃せない。

 2014年度における広告宣伝費は、14億8000万円。前年に比べて6億2200万円も積み増しした。

 「行けるところまで行こうと、大晦日の『ガキ使スペシャル』放送中の午後10時までCMを流した。それほどまでに積極的にクラウド関連サービスの広告宣伝に投資した」と青野社長は語り、クラウドサービスにおける、サイボウズブランドの構築を優先していることを示す。

2015年度の営業利益はマイナス8億円(左)。無借金経営で手元資金にも余裕がある点が自信につながっている(右)。

 「クラウドはすでに利益を出せる状態にあるが、クラウドビジネスは陣取り合戦のフェーズ。競合よりも一歩先に出たい。そのためには、クラウド市場における強い顧客基盤と、ブランド獲得を優先することが必要。強いブランドを形成することで、長期的に安定した強固な収益基盤をつくる」とする。

 31億円を超える手元資金と自己株式をあわせて50億円規模の資金を持ち、無借金経営である点も、余裕を持って赤字決算見通しを発表することにつながっている。

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