富士通研究所は2月10日、異なる日時に撮影された同じ患者のCT画像に対して、高精度に腫瘍の位置合わせをする技術を開発したと発表した。
CT画像では一般的に、呼吸や心拍の影響で腫瘍の位置が変動するという。そのため従来は、腫瘍の周辺にある血管などを手掛かりに位置を合わせる方法などを採用していたが、腫瘍の周辺に血管が少ない場合は位置合わせの精度が低下するという課題があった。
今回開発した技術では、腫瘍の周辺だけでなく、より広範囲にある血管も手掛かりとする。これにより、腫瘍の周辺に血管が少ない場合でも高精度に位置合わせが可能。実用化の目安となる、誤差2.5ミリメートル未満で位置合わせ可能な割合が、従来の約3割から約8割へ向上することを確認したという。
同社では、本技術を適用することで、画像診断業務の位置合わせに掛かる時間を低減でき、医師の負荷軽減に貢献できるとする。