
ネットワーク障害発生時の影響範囲特定の課題
富士通研究所は1月28日、ネットワーク障害発生時に、影響を受けた仮想システムを10秒以内で特定できる技術の開発を発表した。
従来、ネットワーク障害の影響を受けた仮想システムを特定するためには、ネットワークの専門家がサーバー運用者と連携し、仮想システムと物理ネットワークの関係を調査する必要があった。大規模なクラウド環境においては、この作業に3時間以上かかる場合があるという。
今回開発した技術は、仮想システムと物理インフラの構成管理情報を一元管理する仕組みを導入した。物理サーバー間の通信経路情報と通信が発生する仮想サーバーの組み合わせ情報を自動的に生成。仮想システムと物理ネットワーク通信経路の関係が自動的に解析でき、障害の影響を受けた仮想システムを数秒で特定可能となった。このため、ネットワークの専門知識をもたないクラウド運用者であっても、障害によって影響を受けた仮想システムを特定でき、仮想システム利用者に対して迅速な報告が可能になるとする。
ネットワークが冗長構成になっている場合、物理ネットワークの通信経路情報に加えて、通常使用する経路と予備経路を示す状態情報も管理する。こうすることで、障害発生時に影響を受けた物理サーバー間の通信経路が現用経路である時に限って影響ありと判断し、実際にサーバー間通信に影響のあった対象だけを特定できるという。


