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業界人の《ことば》から 第130回

東証1部上場したPCA、会計士がつくりパイオニア精神持つ風土

2015年02月11日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「公認会計士が集まって設立した会計ソフトの会社。そこに自負がある。今後も専門家のノウハウに基づき、先を見越したソフトウェアを作り、チャレンジ精神を持って、時代を切り開く」
(ピー・シー・エーの水谷学社長)

 ピー・シー・エーは、2月6日、関係者を招き、東証一部上場記念パーティーを、東京・大手町のパレスホテルで開いた。

東証一部上場記念パーティーで来場者を迎える水谷社長

 同社は2014年12月5日に、東京証券取引所市場第一部に上場。挨拶に立ったピー・シー・エーの水谷学社長は、北海道から沖縄まで、全国から駆けつけた426人の参加を前に、「お世話になった方々に感謝を申し上げたい」とお礼を述べた。

会計士が作った会計ソフトメーカー

 ピー・シー・エーは、1980年8月、公認会計士が集まり、東京・渋谷に設立。当時は、会計ソフトは存在したものの、高価なオフィスコンピュータ(オフコン)で動作していたため、限られた一部の企業だけが導入できる状況だったという。

 業務をソフトウェアで管理するという概念が一般的でなかった時代に、中小企業が導入可能なパソコン用パッケージソフトウェアの開発を目指したのがピー・シー・エーのはじまりだ。

 上場記念パーティーで挨拶に駆けつけた大塚商会の大塚裕司社長は、「ピー・シー・エーはパソコンの黎明期からの歴史を持つ企業。当時は、会計ソフトだけで20万円、30万円もし、PCを含めたセットでは100万円相当になった。いまではそれでも高いと感じるが、当時のオフコンに比べると大幅に安かった」と振り返る。

 ピー・シー・エーは、1980年12月に第1号製品として、シャープの8ビットパソコン「MZ-80シリーズ」に対応した「ABC財務会計システム」を発売。1983年1月には、富士通のFM-8に対応した「ザ・パソコン会計」を発売。さらに、1983年6月には、日本IBMのIBM 5550に対応した「財務会計システム」、1983年9月には、NECのPC-9800シリーズ対応の「ザ・パソコン会計」を発売。その後は、PC-9800シリーズを中心としたパッケージソフトの販売で事業を拡大してきた。2008年5月には、SaaSサービス「PCA for SaaS」を開始。業務会計ソフトによるクラウドサービスを業界に先駆けて取り組んできた企業でもある。

 水谷社長は、「ピー・シー・エーは、公認会計士が集まって設立した会計ソフトの会社である。そこに自負がある。設立以来、専門家のノウハウに基づいて、先を見越してソフトウェアを作ることができる。そして、チャレンジ精神を持って、時代を切り開く企業である」とする。

 「新しい技術や時代の変化にアグレッシブに対応し、未だ市場にないものを提供する。PCAの伝統であるパイオニア精神は、創業当時から存在した企業風土」というわけだ。

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