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業界人の《ことば》から 第130回

東証1部上場したPCA、会計士がつくりパイオニア精神持つ風土

2015年02月11日 09時00分更新

文● 大河原克行

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東証一部上場記念パーティーで挨拶する水谷社長

海外展開は、常にパイオニア精神を持ち続けるということ

 積極的なテレビCM展開も、PCAブランドの認知力を高めることに成功している。

 だが、2014年度は、消費税改正特需やWindows XPのサポート終了に伴う買い換え需要に支えられた2013年度の反動もあり、売上高は91億円に留まる見込みだ。

 そうしたなかでも、PCAクラウドは顧客数を順調に拡大。「一部上場に向けて、クラウドが成長軌道に乗ってきた」と水谷社長。2014年11月には、受託業務の内部統制保証報告に関する国際的なセキュリティ基準である「SOC2報告書」を取得するなど、信頼性を高めたという。

 さらに、2014年11月には、会計・ERPソフトのグローバルアライアンスである「ALAE(アーレイ)」により、世界の会計ソフトメーカーと提携を開始するといった取り組みを開始した。

 これは、海外進出を検討する中小企業を支援する新たな事業のひとつで、世界各国の有力な業務ソフトベンダーやSIerなどと連携することで、日本の中小企業が海外進出する際の現地会計ソフトの紹介やトレーニングサービスの提供、PCA会計とのデータ連携機能などにより、月次決算を含む海外子会社の業績管理を可能にできるという。

 「ALAE(アーレイ)は、ラテン語で翼を意味しており、海外進出する中小企業の大いなる翼となるという願いを込めている」と同社では説明する。

 中国、インド、韓国、マレーシア、フィリピン、ベトナムのベンダーが加盟。香港、インドネシア、タイ、シンガポールなどにも提携を広げていくという。

 そして、同社では、今後、東証一部上場記念バージョンアップキャンペーンなどの施策により、最大の商戦期である第4四半期で業績の巻き返しを図る姿勢を示している。

 「これからも大きな夢をもって取り組んでいきたい。これがスタートである」と水谷社長。東証一部上場を機に、さらなる事業拡大に挑む姿勢をみせた。

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