2015年1月22日、NVIDIAは第2世代Maxwellアーキテクチャーを採用した新ミドルレンジGPU「GeForce GTX 960」を発表した。
Keplerよりもワットパフォーマンスを重視して設計されたMaxwellは低価格ミドルレンジ「GTX750/750Ti」およびハイエンドの「GTX970/980」で先行投入されていたが、2万円台中盤~3万円台中盤のミドルレンジはKeplerのままだった。
それが今回GTX970/980と同じアーキテクチャーのGPUに置換されたことにより、超ハイエンド(GTX TITAN以上)を除けば、すべてMaxwell世代のGPUに更新されたことになる。
今回は運良くGTX960搭載カードの中でも一番の売れ筋となりそうなASUS製のカード「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」を入手できたため、いつも通り様々なベンチを通じGTX960の実力を評価していきたい。
内容的にはGTX980の半分
まずは第2世代Maxwellの凄さについては、GTX980のレビューで語っているので、気になる方はそちらも読んでいただきたい。ここではGTX960の公式スペックと、既存のミドルレンジを比較する。
各ビデオカードの比較表 | |||||||
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GeForce GTX 970 | GeForce GTX 960 | GeForce GTX 760 | GeForce GTX 660Ti | GeForce GTX 660 | GeForce GTX 750Ti | ||
アーキテクチャー | GM204 (Maxwell) |
GM206 (Maxwell) |
GK110 (Kepler) |
GK104 (Kepler) |
GK106 (Kepler) |
GM107 (Maxwell) |
|
製造プロセス | 28nm | 28nm | 28nm | 28nm | 28nm | 28nm | |
コアクロック | 1050MHz | 1126MHz | 1033MHz | 915MHz | 980MHz | 1020MHz | |
ブーストクロック | 1178MHz | 1178MHz | 1152MHz | 980MHz | 1033MHz | 1085MHz | |
ストリーミング プロセッサー数 |
1664基 | 1024基 | 1152基 | 1344基 | 960基 | 640基 | |
テクスチャーユニット数 | 104基 | 64基 | 96基 | 112基 | 80基 | 40基 | |
ROPユニット数 | 64基 | 32基 | 32基 | 24基 | 24基 | 16基 | |
メモリー転送レート(相当) | 7GHz | 7GHz | 6GHz | 6GHz | 6GHz | 5.4GHz | |
メモリータイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | |
メモリーバス幅 | 256bit | 128bit | 256bit | 192bit | 192bit | 128bit | |
メモリー搭載量 | 4GB | 2GB | 2GB | 2GB | 2GB | 2GB | |
TDP | 145W | 120W | 170W | 150W | 140W | 90W | |
外部電源 | 6ピン×2 | 6ピン | 6ピン×2 | 6ピン×2 | 6ピン×2 | なし | |
MFAA&HDMI2.0 | ○ | ○ | × | × | × | × |
まずSP(CUDAコア)1024基、テクスチャーユニット64基、ROP32基という構成は、GTX980を約半分の規模に縮小したもの、という点にまず注目しておこう。
第2世代MaxwellではGPC1個あたりに64bit幅のメモリーコントローラーが付く格好になっているため、GTX980では4基あったメモリコントローラーはGTX960では2基、つまり128bit幅となる。
GTX760の256bitと比べると半分に減ってしまったのだが、第2世代Maxwellではデータをハードウェアで一度圧縮してから転送するため、メモリーバス幅が多少狭くても問題ない、という判断なのだろう。
メモリー転送レートは7GHz相当となっているが、データが3割圧縮されたとすれば、実効転送レートは9.3GHz相当になるというのがNVIDIA側の主張だ。
そしてTDPは120Wと低いが、GTX960がGTX980(TDP165W)の半分の回路規模という割りにはかなり増えているが、ベース/ブーストクロックともに従来のミドルレンジより高めになっている点に注目だ。クロックが高い分、消費電力もやや高めということだろうか。
(→次ページヘ続く 「ターゲットはMOBAゲーマー」)
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