オーバークロック仕様の製品が
多いであろうGTX960
今回入手したASUS製カードも、ベースクロック1253MHz、ブーストクロック1317MHz、メモリークロック7.2GHz相当という高めのオーバークロック設定仕様になっていた。
さらに、GPUやVRMの温度が低いうちはファンが止まる準ファンレス仕様のクーラーを組み合わせており、低負荷なゲームの場合はほとんどファンが回らない。同シリーズのGTX970版は5万円近い高額なカードにも関わらず、現在トップクラスの売り上げを誇る人気モデル。このGTX960版も人気が出ることは想像に難くない。
だがNVIDIAはGTX960はオーバークロックしやすいということもアピールしている。今回入手したASUST製カードでも、ゲーム中のコアクロックは1417MHzまでブーストされていた。
出荷状態でそれなりに高いクロックで動作するよう調整しているカードも多いであろうから、実際の伸びしろはそんなに大きくない可能性もある。
ターゲットはMOBAゲーマー
ではGTX960はいかなるゲーマーをターゲットにした製品なのだろうか? 先代GTX760は、適度な予算でフルHDゲーミングを快適に楽しむための製品だったので、今回もこの位置づけは変わらない(4Kは上位の980の役目)。
だが今回NVIDIAは、GTX560や660でビデオカードの時間が止まっているユーザの買い替え需要を狙っているほか、ゲーマーとしては“世界的に”パイが非常に大きいMOBA系ゲーム、つまり「League of Legends」や「DOTA」などのプレイヤーに最適なGPUとしている。
ゲーマー3人のうち2人はGTX660以前のGPUを使っていることや、MOBA系ゲームにおいてGeForceが一番使われているから、がその理由らしい。
DOTA系ゲームは最新ゲームに比べれば負荷が低いため、GTX960が必要か疑問に思うかもしれない。しかし準ファンレス仕様のGTX960を使えば、ゲーム中はほとんどGPUファンは回転しないので快適だ。さらにゲームをDSRを利用して高解像度でレンダリングすれば、自キャラの細かいディテールももっとシャキッと見える、といったメリットもある。
無論GTX960はこれから話題のPCゲームを遊びたい人にとっても最適な選択となるのは間違いない。昨年コナミが「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」のPC版をリリースしたのを受け、GTX960を含むGeForce搭載カードに同ゲームをバンドルしたパッケージも用意される。MGSV:GZを最高画質で快適に遊びたいなら、ぜひともPC版でプレイてみたいものだ。
(→次ページヘ続く 「ベンチ環境とベンチ結果」)
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