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最新パーツ性能チェック 第171回

「GeForce GTX960」は3万円前後のVGA選択を塗り替える

2015年01月22日 23時01分更新

文● 加藤 勝明

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オーバークロック仕様の製品が
多いであろうGTX960

「GeForce GTX 960」を搭載するASUS製ビデオカード「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」。準ファンレス仕様のクーラーを備え、低負荷時は無音で動作するのが売りだ

 今回入手したASUS製カードも、ベースクロック1253MHz、ブーストクロック1317MHz、メモリークロック7.2GHz相当という高めのオーバークロック設定仕様になっていた。

STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5の情報を「GPU-Z」で確認したところ

 さらに、GPUやVRMの温度が低いうちはファンが止まる準ファンレス仕様のクーラーを組み合わせており、低負荷なゲームの場合はほとんどファンが回らない。同シリーズのGTX970版は5万円近い高額なカードにも関わらず、現在トップクラスの売り上げを誇る人気モデル。このGTX960版も人気が出ることは想像に難くない。

2基のファンは左右独立制御され、温度が低い時は回転しない

STRIXシリーズのGTX980や970と同様に、基板裏には歪み防止用の鉄板が固定されている

外部電源は6ピン×1のみ。製品によっては6ピン×2や8ピン×1といった構成を採用しているメーカーもある

出力端子の構成はごく一般的なもの。HDMIは2.0対応だが、4K@60Hz出力にはディスプレー側の対応が必須

 だがNVIDIAはGTX960はオーバークロックしやすいということもアピールしている。今回入手したASUST製カードでも、ゲーム中のコアクロックは1417MHzまでブーストされていた。

 出荷状態でそれなりに高いクロックで動作するよう調整しているカードも多いであろうから、実際の伸びしろはそんなに大きくない可能性もある。

GTX960はチューニングでコア1.5GHz辺りまで比較的簡単にオーバークロックできる。もちろん上限は基板設計やクーラーの冷却力に左右されるので、あくまで“可能性が高い”という話だ

ターゲットはMOBAゲーマー

 ではGTX960はいかなるゲーマーをターゲットにした製品なのだろうか? 先代GTX760は、適度な予算でフルHDゲーミングを快適に楽しむための製品だったので、今回もこの位置づけは変わらない(4Kは上位の980の役目)。

 だが今回NVIDIAは、GTX560や660でビデオカードの時間が止まっているユーザの買い替え需要を狙っているほか、ゲーマーとしては“世界的に”パイが非常に大きいMOBA系ゲーム、つまり「League of Legends」や「DOTA」などのプレイヤーに最適なGPUとしている。

 ゲーマー3人のうち2人はGTX660以前のGPUを使っていることや、MOBA系ゲームにおいてGeForceが一番使われているから、がその理由らしい。

 DOTA系ゲームは最新ゲームに比べれば負荷が低いため、GTX960が必要か疑問に思うかもしれない。しかし準ファンレス仕様のGTX960を使えば、ゲーム中はほとんどGPUファンは回転しないので快適だ。さらにゲームをDSRを利用して高解像度でレンダリングすれば、自キャラの細かいディテールももっとシャキッと見える、といったメリットもある。

GTX960はMOBA系ゲームのプレイヤーやGTX660以前のユーザーにとって最適なGPUである、とNVIDIAはうたっている

準ファンレスのGTX960カードで低負荷なゲームを遊べば、CPUとケースファンしか回転しない非常に静かな環境が手に入る。MOBA系ゲームと非常に相性がいい

 無論GTX960はこれから話題のPCゲームを遊びたい人にとっても最適な選択となるのは間違いない。昨年コナミが「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」のPC版をリリースしたのを受け、GTX960を含むGeForce搭載カードに同ゲームをバンドルしたパッケージも用意される。MGSV:GZを最高画質で快適に遊びたいなら、ぜひともPC版でプレイてみたいものだ。

“メタルギア、GeForceでPCに帰還”というキャッチで「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」が同梱されたパッケージも各社から提供される

(→次ページヘ続く 「ベンチ環境とベンチ結果」)

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