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美しいデザイン、高い質感は価格以上

4790K&GTX 980で最速! 水冷で安定! 最強ゲーミングPC「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」

2015年01月27日 11時00分更新

文● 高橋量

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水冷でゲームの邪魔となるファン音を抑え、安定稼働も

 高性能なゲーミングPCの問題点の1つが、冷却ファンの音だろう。プレイ中に大きな音がするとBGMや効果音が聞き取りにくくなり、ゲームが不利になったり、また気が散ってしまう。「ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は、水冷式のCPU冷却ユニットを搭載しているため、ファン音が抑えられている。他メーカーでも水冷式ユニットを搭載したデスクトップは発売されているが、「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は最小構成価格が14万9800円と同ジャンルの製品のなかではかなり安い

 水冷式のメリットは、一般的な空冷式(ファンによる送風で冷却する)に比べて冷却効果が高い点だ。極端な高温状態が長時間続くと、CPUの動作が不安定になったり温度を下げるために動作クロックが下がってしまうこともある。特にCore i7-4790Kをオーバークロックした状態で高い負荷がかかると、CPU温度は90度以上にもなり、クロックダウンすることもあるだろう。

CPUを冷却する水冷ユニット。2本のチューブはあるものの、巨大なCPUクーラーがないぶん、CPU周りはスペースに余裕がある

 だが空冷式よりも効率よく排熱できる水冷式なら、CPUを高クロックで動作させても温度が上昇しにくい。高性能のCPUを効果的に使うなら、水冷式ユニットを搭載したマシンがおすすめなのだ。「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は駆動音も小さく、高い負荷のかかるベンチマークを実行していても、動作音が気になる場面はなかった。

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の内部。サイズの大きいパーツがいくつも使われているが、比較的すっきりとまとめられている

「PCMark 8」の「Creative conventional 3.0」を定格周波数で実行したときのCPU温度。冬場で室温が低かったのもあるが、温度はほぼ30度以下に抑えられている。

高性能な最新パーツを豊富に用意

 続いて、「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」で選択可能な構成パーツを見てみよう。CPUとしては、Core i7-4790とCore i7-4790Kの2種類が用意されている。主な違いはCore i7-4790Kのほうが動作周波数が高く、さらにオーバークロックにも対応している点だ。さらに細かな違いとしてCore i7-4790はインテルの仮想化/セキュリティー技術に対応している点が挙げられるが、ビジネス系の機能なので特に気にする必要はないだろう。

 標準構成ではCPUにCore i7-4790が設定されており、Core i7-4790Kに変更するには9000円の追加オプションが必要だ。この程度の金額でワンランク上にCPUに変えられるのであれば、試してみる価値はある。

選択可能なCPUの違い
Core i7-4790KCore i7-4790
開発コードネームDevil's CanyonHaswell Refresh
コア数/スレッド数4/84/8
動作周波数4GHz3.6GHz
最大動作周波数4.4GHz4GHz
キャッシュ8MB8MB
TDP88W84W
グラフィックスインテルHDグラフィックス4600インテルHDグラフィックス4600

試用機には4コア8スレッドで動作するCore i7-4790K(4.0GHz)が搭載されていた

「CPU-Z」によるCore i7-4790Kの詳細情報。今回はオーバークロックを試していないのだが、クロックを上げ過ぎるとCPUが壊れてしまうこともある。オーバークロックが原因の故障はメーカー保証外となるので十分注意すること

メモリーは16GBがお勧め

 メモリーは、8/16/32GBの容量から選択できる。ゲームだけを目的とするのなら8GBでも十分だが、実際はブラウザーを起動しながらプレーしたり、写真や動画の編集を行なうこともあるだろう。ゲーム以外の作業を快適に行なうためにも、16GB以上の容量を選んでおきたい。

試用機では16GBのメモリーが搭載されていた。これから数年間使うことを考えるなら、メモリー容量は16GB以上を選択するべきだ

ストレージはSSDとHDD、HDD×3などが選択可能

 ストレージとしては、128/256/512GBのSSDと1/2/3TBのHDDが用意されている。さらに2台のストレージを増設可能で、それぞれに1/2/3TBのHDDを利用することが可能だ。

 アクセスが速くてもっとも快適に使えるのはSSDだが、容量の面では低価格で大容量のHDDのほうが有利。そこでアクセス速度と大容量を両立させる手段として、システム用のストレージにSSDを使い、データ保存用としてHDDを使用する組み合わせをおすすめしたい。あくまでも大容量にこだわるなら3TB HDD×3台で合計容量9TBのマシンに仕上げることもできる。

「CrystalDiskInfo」によるストレージのS.M.A.R.T.情報。試用機ではメインストレージにサンディスク製の512GB SSD「SanDisk X300s(SD7SB2Q-512G)」が、セカンド/サードストレージとしてシーゲート製の1TB HDD「ST1000DM003」が使われていた

試用機のパーティション構成。Cドライブには460.28GB割り当てられている

Cドライブの空き容量は425GB。さらにSSDには、リカバリー用のデータを保存したDドライブも用意されていた。HDDの空き容量は2台共通で931GBだ

3.5インチのドライブベイは3つ。ストレージが斜めに設置されているため、メンテナンス時に取り出しやすい

(次ページ、「“たった4万円”の追加で「GeForce GTX 980」に」に続く)

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