ただ「ハンドオフ」するだけじゃもったいない!
iOSからOS Xへ、その反対にOS XからiOSへ処理を引き継ぐことがハンドオフの基本的な役割だが、OS XとiOSには機能的な差があり、アプリの仕様も完全に同じではない。その“違い”に注目すれば、これまでにないアプリの使い方も可能になるのだ。
ここでは、手軽に試せるハンドオフのテクニックを3つほど紹介する。いずれも操作手順そのものはシンプルで、トリッキーなことは必要ない。ハンドオフの操作バリエーションとして、覚えておくといいだろう。
1:「メモ」に画像を一時ストック
OS XからiOSへ画像を渡すときには、フォトストリームを使う、iTunes経由で転送する、メールに添付する、(クラウド対応の)アプリ経由で送受信するなどの方法があるが、いずれもひと手間かかる。iOS 8からは「AirDrop」を使う手もあるが、コメントは残せないしダイアログで送信先を選ぶしかない。
そこで利用するのが、「メモ」のハンドオフだ。OS X上で「メモ」を起動し、新規メモに適当なコメントを入力して画像をドラッグ&ドロップしよう。「メモ」の同期は以前からサポートされているが、ハンドオフは「メモ」をホーム画面から起動する手間が省けるので、OS Xで作成したメモを次の瞬間にはiOSで表示できる。こちらのほうがスピーディーに画像を転送できるうえ、コメントも残せるメリットもある。
2. ルート検索はMacで、乗換案内はiPhoneで
OS XとiOSの「マップ」は、電車やバスの乗換案内に対応していない。そんなときは「Google Maps」などサードパーティー製アプリ/サービスの出番だが、起動しやすさでいえば「マップ」のほうがいい。「マップ」でルート検索した結果を「Google Maps」に渡すことができれば……と思った方は多いはず。
ハンドオフを使えば、そのような連係技も簡単だ。OS Xの「マップ」で(駅から駅への)ルート検索を行い、その案内が表示された状態でiOSにハンドオフしてみよう。同じ画面が表示されるが、iOS側には「App」タブがあるはず。そこで「Google Maps」をタップすれば(事前にアプリのインストールが必要)、OS Xのマップ→iOSのマップ→Google Mapsの順にルート案内のデータを渡し、電車やバスの乗り換え案内を表示できるのだ。

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