特に木材関係者でもなく、インテリア関係者でもない筆者が“曲げ木”ということを聞いて思い浮かべるのは、秋田杉・曲げわっぱのお弁当箱や、柳宗理さんの「バタフライスツール」、北欧モダンブランドの代表であるアルテックスの丸いスタッキング(重ね合わせ可能)スツールなどだ。
名前を聞いてもわからない人でも、現物の写真を見ればいずれも一度は見たことのあるモノばかりだ。そもそも、木を曲げる“曲げ木技術”を発明したのは、18世紀のドイツ人、ミヒャエル・トーネットだそうだ。曲げ木工法は、木が本来持っている可塑性(外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質)を利用したものだ。
具体的には、素材である材木を煮沸し、鉄の金型に沿って曲げて成型するという方法だった。曲げ木の特徴は、家具などの使用する場所によっては、クッション性を持たせたり、切り刻むことがなく無駄な廃材を出さず、同時にデザイン的に美しい曲線を出すことができることだ。
今回、筆者がよく行く銀座の伊東屋(現在工事中)の裏手にある「K.ITOYA」で見かけた“万年筆ケース”の木目のあまりの美しさと、曲げ木の製作精度に惹かれてついつい衝動買いしてしまった。
無垢の素材の薄さと精度が素晴らしい!
新ブランドの万年筆ケース「AvanWood」
万年筆ケース(ペンケース)は従来からずっと筆者のコレクションアイテムの1つだった。そこそこ高価なものからウルトラチープなものまで20種類以上を買い集めたが、現在も引き続き使っているのはその中の5点ほどだ。
今回、衝動買いした万年筆ケースは、新潟に本拠を置く「STORIO」(ストーリオ)という企業が独自の技術で開発した「AvanWood」という新ブランドの万年筆ケースだ。1本用から3本用までのサイズがあり、無垢材(合板などではない、自然の原木から切り出した木材)のクルミやカエデを使用している。
筆者の購入した商品はカエデ材を使用した2本収納用だ。実測したところ、本体重量はたったの57g。これなら持ち運びにはほとんど影響しない快適な軽さだ。2本用と3本用は上面の中央がくぼんでおり、ペンのトレイにもなる設計だ。
(次ページに続く、「親切なロック機構や組み合わせ精度、快適な感触などが魅力」)

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