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T教授の「戦略的衝動買い」 第303回

無垢材の曲げ木が美しい万年筆ケースを衝動買い!

2014年10月08日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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親切なロック機構や組み合わせ精度
快適な感触などが魅力

ほんの少し引っかかるところで引っ張るとロックが外れ、最大長まで引き出せる。もちろんここでもロックがかかっており、不用意に抜け落ちることはない

ほんの少し引っかかるところで引っ張るとロックが外れ、最大長まで引き出せる。もちろんここでもロックがかかっており、不用意に抜け落ちることはない

ロック機構になっている板バネ的な部分を押して、引き出しをまるごと引き出すこともできる。すべてが1枚の薄い板を最先端の工作機械で削りだし、曲げて、熟練の職人が調整してでき上がる

ロック機構になっている板バネ的な部分を押して、引き出しをまるごと引き出すこともできる。すべてが1枚の薄い板を最先端の工作機械で削りだし、曲げて、熟練の職人が調整してでき上がる

 オールディーズな引き出し式の筆箱や箸箱のように引き出すと、牛本革を使った柔らかいインナーケースが登場する。

 引き出し始めも、不用意に滑りだすことなくロック機構がかかる。また、全部引き出したところでも同様にロック機構が働き、ペンケースの引き出しが抜け落ちることはない。

2枚の曲げた薄い板が見事に噛みあう精度は、ABSやセルロイドで機械的に作った最新の工業製品に勝るとも劣らない

2枚の曲げた薄い板が見事に噛みあう精度は、ABSやセルロイドで機械的に作った最新の工業製品に勝るとも劣らない

黒く染色された無垢のカエデも木目が生かされ、なかなか見事な仕上がりだ

黒く染色された無垢のカエデも木目が生かされ、なかなか見事な仕上がりだ

 丸くなるように癖付けされた本革製のインナーケースは縦に端から端までスリットが入れられており、万年筆の出し入れは極めて容易で快適だ。明るいトップ面に対してボトムの黒い色も塗装ではなく綺麗に染められて、カエデの木目がまた違ったイメージで見えて美しい。

 引き出し背面には指先の滑り止めのための3ヵ所の切り込みと、素材名が記述されている。ボトムの終端は、染色され見事にL字型に折り曲げられたダークなカエデ材のボトムと、U字型に折り曲げられた明るいトップが精密機器のように見事に噛み合っている。

 そして、自信に溢れた社名である「STORIO」と、最近見る機会が極めて少なくなってきた「MADE IN JAPAN」という懐かしいタイプフェイスが刻まれている。

筆者の日常使いのペンは、どの組み合わせでも綺麗に収まった

筆者の日常使いのペンは、どの組み合わせでも綺麗に収まった

 筆者は、最近、愛用している長さも軸の太さも異なる数本の万年筆やボールペン、鉛筆補助軸などを組み合わせて収納してみた。

一番太くて大きなモンブランの「マイスターシュトゥック149」もバッチリ収納できた

一番太くて大きなモンブランの「マイスターシュトゥック149」もバッチリ収納できた

 2本用としては極めてコンパクトな外形のAvanWoodの万年筆ケースだが、一番太くて大きなモンブランの万年筆である「マイスターシュトゥック149」と、銀座五十音&信頼文具舗謹製の鉛筆補助軸「ミミック・パシフィック」の両方がすんなりと収まった。

 筆者は、過去から現在までいくつもペンケースを買い込んで、結局現在は5種類のペンケースを代わる代わるTPOに応じて使い分けている。

持った時の手のひらの感覚“にぎにぎ感”が抜群。長持ちの秘訣だ

持った時の手のひらの感覚“にぎにぎ感”が抜群。長持ちの秘訣だ

あまり先鋭的ではない周辺製品とのコンビーネーションが安心できる商品だ

あまり先鋭的ではない周辺製品とのコンビーネーションが安心できる商品だ

 そして日常使いになった5つのペンケースの共通の特徴は、持った時の皮膚感覚と手のひらでニギニギしたり、くるくる回した時の感触の快適さだと気がついた。

 実際にAvanWoodの万年筆ケースを手に持ってみると、その曲げ木の感触が素晴らしいのだ。回してみると、エッジの立ったボトムと、ソフトなトップが代わる代わる手のひらにあたり気持ちがいい。

自慢の逸品になりそうな万年筆ケース

今では、AvanWood万年筆ケースが持ち歩き頻度No.1になってしまった

今では、AvanWood万年筆ケースが持ち歩き頻度No.1になってしまった

 今まではあまり考えられなかった超薄い無垢の木を、テクノロジーを注ぎ込んだ先端の加工機と経験豊富な職人技で創りあげたAvanWood万年筆ケース。すべての工程と手間を考えると、今の販売価格は安すぎるかもしれない。

 AvanWood万年筆ケースは、この先も間違いなく筆者の日常使いの自慢アイテムになることだろう。新しすぎず、華美でないちょっとクラシカルなイメージのモノとのマッチングが最高だ。

■関連サイト

T教授

今回の衝動買い

アイテム:AvanWood 万年筆ケース(2本用)

価格:銀座伊東屋 K.ITOYAで1万900円(税抜)で購入


T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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