鉛筆にスタイラス機能をプラスした「The Pencil」
ドイツのステッドラーは1662年に世界で最初に鉛筆を製造した会社だ。今では、後発のファーバーカステルと並んでドイツを代表する筆記具と製図用具のメーカーとなっている。そんな鉛筆界最古参のステッドラーがスマートフォンやタブレット用スタイラスの世界に新製品を送り込んできた。
商品名はその名もズバリ「The Pencil」(ザ・ペンシル)。ステッドラーが最近発売した黒いウォペックス製法鉛筆3本と鉛筆補助軸がセットになったキット商品だ。
鉛筆と鉛筆補助軸、鉛筆削り、消しゴムが一体となった鉛筆といえば、ファーバーカステルの「パーフェクトペンシル」があまりにも有名だが、The Pencilは、それに加えてスタイラスまでもを加えたパーフェクト+(プラス)鉛筆なのだ。
The Pencilの鉛筆を一見すると、ごく普通の鉛筆のおしり辺に付いている消しゴムの位置にスマホやタブレットの画面操作用のスタイラスが取り付けられている。このスタイラス部分だけを鉛筆から取り外して使用することはできない。
鉛筆自体も独特の製法で作られている
ウォペックス製法鉛筆は、一般的な鉛筆が重さ数g前後であるのに対して、2倍近い10g前後もある。これは、普通の鉛筆の工法とはまったく異なる素材、製法で作られているからでもある。
普通の鉛筆は、鉛筆軸の直径の約半分の薄さの2枚の板を使い、黒鉛でできた芯をサンドイッチ構造にして細くカットする。
これに対してウォペックス製法による鉛筆は、“押し出し成形”というまったく新しい製法を用いている。まず、木軸の素材に従来と同じ木と廃材のミックス原料を用いる。そして、細かなチップ状にした材料を、同じく練り状にした芯(黒鉛)、表面塗装の素材と組み合わせて専用の機械で細い棒状に一気に押し出して作り上げるのだ。
実際にステッドラーより単品発売されているウォペックス鉛筆で筆記してみると、従来の鉛筆とは異なる――指に吸い付く多少ねっとりした表面感覚がある。鉛筆の芯の濃さはHBや2H、2Bなどの種類が提供されているが、実際に書いた文字や絵は普通の鉛筆ほど差を感じない。
The Pencil専用鉛筆は同じウォペックス製法の鉛筆ではあるが、表面塗装処理の違いかそれほどしっとり感はなく、どちらかと言えば心もちサラサラしたイメージだ。筆圧の強い人には単体売りのウォペックス製法鉛筆のほうが、がっちりと握れて、しっかりと筆記できる感じはある。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

この連載の記事
-
第761回
トピックス
ゲートロンの巨大「キースイッチ・カプセルトイ」を衝動買い -
第760回
トピックス
ロレックスを断捨離してチューダー「ブラックベイ プロ」を衝動買い【購買編】 -
第759回
トピックス
ロレックスを断捨離してチューダー「ブラックベイ プロ」を衝動買い【売却編】 -
第758回
トピックス
ノックするとペン軸が結晶パターンに変形「SwitchPen」を衝動買い -
第757回
トピックス
筆者の知る限り史上最軽量65g「マジカルテック傘」を衝動買い -
第756回
トピックス
ダリの溶ける時計風、LAARVEE「Crashed Submariner」を衝動買い -
第755回
トピックス
日本でも注目を集めそうな「DIYモバイルバッテリーケース」を衝動買い -
第754回
トピックス
スマホにケーブルレスで充電Type-C端子一体型「Anker nano Power Bank」を衝動買い -
第753回
トピックス
M.2 NVMe SSD対応の超小型「SHARGE Disk」をいち早く試した -
第752回
トピックス
SwitchBotの持ち歩ける乾電池駆動「防水温湿度計」を衝動買い -
第751回
トピックス
停電したら自動点灯 Wi-Fi不要の音声操作LED電球「マジック バルブ ボイス」 - この連載の一覧へ