テクノロジー虎の穴 第5回
誰でも直径45mのパラボラアンテナを堪能できるオープン型観測所
電波で宇宙を眺める巨大望遠鏡の群れを撮ってきた~国立天文台 野辺山
2014年10月09日 13時00分更新
複数の電波望遠鏡で仮想的に巨大なアンテナを作る
次に注目したいのは、10mのミリ波干渉計と太陽電波ヘリオグラフ。
これらは施設内に点在しているもので、まず10mミリ波干渉計を見てみると、現在では運用を停止しているが、運用当時は施設内に設置されたレールで移動させることが可能であり、最大で約600mの電波望遠鏡として仮想的に機能するようになっていた。
また取材時は、6台あるうちの1台が、大学の実験用として機能している状態だった。45m電波望遠鏡を見たあとだと小さく感じてしまうが、間近でみると構造を把握しやすく、また写真を撮るにしても全体を撮影しやすい。
84個のちっちゃなアンテナが一糸乱れぬ動きで
500m級電波望遠鏡の役割を果たす!
一方、太陽電波ヘリオグラフは、直径80cmのアンテナを持つもので、太陽を電波観測する。天候の影響を受けにくいため、通年で稼働しており、84台の太陽電波ヘリオグラフが並ぶ姿はなかなか印象的だ。
こちらも広域配置することで500mの電波望遠鏡に相当する性能を得ることが可能であり、毎秒20枚の画像を得ることが可能だという。そのため、ビデオカメラのように太陽の状態をモニターすることができるそうだ。
気軽に見に行ける国立天文台野辺山
冒頭で記したように、国立天文台野辺山は予約ナシで見学に行ける。今回の記事では取材ということで立ち入りできたエリアも多々あるが、45m電波望遠鏡や10mミリ波干渉計などは間近で見ることができる。
また太陽電波ヘリオグラフと太陽電波強度偏波計も少し離れた距離からになるが、目にすることが可能だ。景色もよく、天気がよければ夜には近隣で天体観測も楽しめるので、フラッとお出かけするにもちょうどいい。
秋の行楽シーズンとなっているが、カメラを片手に巨大な電波望遠鏡を見に行ってみるのもいいだろう。
宇宙を知るするために活躍する、デルのテクノロジー
地球の外に広がる広大な宇宙。そこにはわれわれが知りえないさまざまな情報があふれている。そんな膨大な情報を解析し、有益なものとして活用していくためにはIT技術が不可欠だ。最後にそんな事例のいくつかを紹介しておこう。
Dell Helps to Power NASAs Latest Mission to Mars
~NASAの最新火星探索にデルが貢献)
http://www.dell.com/learn/us/en/uscorp1/secure/2012-08-06-dell-high-performance-computing-nasa-mars
Odyssey Space Research uses Dell blade technologies to perform more efficient simulations.
~Odyssey Space Researchが、デルのブレード技術を活用し、より効率的なシミュレーションを実現
Shanghai Astronomical Observatory (SHAO), Chinese Academy of Sciences implements its HPCC platform
~中国の科学アカデミーSHAOがHPCCプラットフォームを導入

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