――それは「シマンテック自身が直接、IoT市場に製品を提供していく」という意味でしょうか。
前述したとおり、IoTにはさまざまな垂直市場が存在し、それぞれの市場に製品やソリューションを供給するメーカーがいる。しかし、そうしたメーカーがこれからIoTを推進していくうえでは、やはりセキュリティが大きな課題となる。
そこでシマンテックでは、こうしたメーカーとパートナーシップを結び、チップセットやデバイス、アプリケーションの開発者がセキュリティを組み込む手助けをしている。
セキュリティだけでなく、マネジメントの技術も提供できる。たとえば、(米国では)コカ・コーラの自販機に“IoT向けのMDM”ツールを提供している。これはスマートデバイス向けのMDMのようなツールで、リモートから自販機の状況をモニタリングしたり、ソフトウェアのアップデートを実行したりできる。
IoTへの取り組みにおいてシマンテックに欠けているものは?
――では、IoTのエコシステム全体を網羅するうえで欠けているもの、欠けている技術としては、どのようなものがあるでしょうか。
IoTのデバイスは、小さなものから大きなものまでさまざまだ。また、デバイスを動かすOSにもさまざまなものがある。特に組み込みデバイスでは、リアルタイムOSが使われることも多い。
こうした組み込み機器のOSに対応したソフトウェア、あるいは容量の小さいソフトウェアの開発が必要となるだろう。これは現在取り組んでいるものの1つだ。
先ほど紹介したIoT向けのMDMもそうだが、モバイル(スマートデバイス)はIoTのサブセットであり、現在モバイル分野で実現していることが、将来的にIoT全体へとクロスオーバーしていくだろう。モバイルの戦略とIoTの戦略にはシナジーがあると考えている。
シマンテックでは、各業種/分野のIoTに対して、それぞれに適切なソリューションをカスタマイズし、提供することができる。これがわれわれのIoTビジョンだ。