このページの本文へ

CSIRTを構築できない企業に向けたIIJ統合セキュリティソリューション

クラウド型SOCを実現したIIJとシマンテックとの提携

2015年07月22日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

7月22日、シマンテックはマネージドセキュリティサービスに関する記者説明会を開催した。7月1日に発表された「IIJ統合セキュリティソリューション」では、シマンテックの技術を用いたマネージドセキュリティサービスを展開しており、説明会では両者の提携について説明された。

CSIRTを構築できない大多数の企業のために

 冒頭、IIJとの提携について説明したシマンテック 執行役員 セールスエンジニアリング本部長 外村慶氏は、日本年金機構への標的型攻撃をはじめ、さまざまな自治体や病院、企業などで標的型攻撃の被害が起こっていることを披露し、「注目したいのは発見したのが、内部の人でないこと。起こった後の発見が自分でできないことが問題。当然、対処も自分たちでできない」と指摘する。

シマンテック 執行役員 セールスエンジニアリング本部長 外村慶氏

 インシデントに対して、ユーザー自ら対応するためには、SOCを立てて、CSIRTを構築する必要がある。実際、NRIの調査によると、CSIRTを構築する目的としては、「インシデントに対して迅速に対応できる」「組織としてインシデントに対応できる」が大半を占める。しかし、別の調査をひもとくとCSIRTを構築しているのは7.3%に過ぎず、92.7%はセキュリティインシデントへの対応が必要になるという。「この92.7%にセキュリティインシデントの対応を浸透させることが、われわれのチャレンジであり、ビジネスである」(外村氏)。

CSIRTの構築状況と現実

 実際のCSIRTでは防御に目がいきがちだが、検出、対応、回復を実現する体制を整備する必要がある。これを効率的に実現するためには、大規模データセンターにネットワークやセキュリティまで運用をアウトソーシングするのが重要だという。一方で、シマンテックはセキュリティに特化するが故、運用体制やネットワークまで含めたトータルの運用が難しいという課題があった。「われわらはセキュリティ対策の深さには自信があるが、幅という点ではすべてを網羅できない」(外村氏)とのことで、顧客とのリレーションが強く、さまざまなセキュリティ機器の運用実績があり、なおかつユーザーに負荷をかけないセキュリティ監視が可能なIIJとのパートナーシップにつながったという。

100%アセットレスでクラウド型SOCを提供

 続いて登壇したIIJ ソリューション本部 セキュリティソリューション部 セキュリティソリューション課長の加賀康之氏は、なぜこの段階でシマンテックと提携したかという点を説明した。

IIJ ソリューション本部 セキュリティソリューション部 セキュリティソリューション課長 加賀康之氏

 IIJは古くからマネージドセキュリティサービスを展開しており、IDSの開発にまで携わるなど、「セキュリティベンダーとしての自負もある」(加賀氏)という。しかし、顧客のグローバル化や標的型攻撃の増加といった状況に対応し、「グローバルに展開し、精度の高い脅威データベースを持つベンダーとのパートナーシップを組み、よりお客様に安心なインターネットを提供する必要が出てきた」と語る。

 今回、IIJが展開するIIJ統合セキュリティソリューションでは、「100%アセットレスで提供可能なクラウド型のSOCサービス」を謳う。不正アクセスのみを検出し、データ解析・報告・アドバイス・対策を提供。通信の遮断といったインシデント対応まで行なうという。「本当の意味でお客様が欲しいと感じているセキュリティ対策をIIJのエンジニアとシマンテックのアナリストの協議によって提供する。これがソリューションのもっとも大きな価値」と語る。また、すべてIIJのクラウドサービスであるIIJ GIO側で処理するため、ログサーバーなどを配置する必要がないというメリットも大きいという。

IIJ統合セキュリティソリューションの概要

5箇所のSOCをグローバル展開し、攻撃予兆まで検出

 現状、シマンテックはグローバルで5箇所(米2箇所、インド、シドニー、イギリス、日本)にSOCを展開しており、17年の運用実績を誇る。インシデント監視や通知、アドバイスを行なうアナリスト、障害監視、復旧業務などを行なうサービスデスク、顧客ごとのサービスマネージャーのほか、カスタマーDBやWebポータルを管理するクライアントサポート、収納業務を行なうオンボーディングエンジニアなど、400名以上のセキュリティエンジニアが運用に当たっている。また、ハッカーの動向調査や相関分析ルールを運用するチームなどとも連携し、高い精度のインシデント分析を実現するという。

シマンテックのSOC体制

 特徴的なのはファイアウォールやIDSのみならず、エンドポイントでの監視を行なっている点、SOCとは別にウイルス解析を専門に行なっているチームが存在する点などが挙げられる。エンドポイントとインテリジェンスの組み合わせにより、攻撃の成否のみならず、攻撃の予兆まで検出できるという。こうしたSOC体制とセキュリティ人材を組み合わせたIIJとの協業により、クラウド上においてもセキュアな環境が実現できるとのことだ。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    デジタル

    「そんなことも知らんで、介護やってるんですか?」 救急隊員の一言からkintone×AIの組織変革が始まった

  2. 2位

    TECH

    Claude CodeのPlan modeをやめてみる ~grill-meスキルで一歩ずつ設計を固め、アプリを作る~

  3. 3位

    ネットワーク

    「手のひらネットワーク機器」第4弾が登場、テーマは“ShowNetを手のひらに”! こだわりの両面マウントや高密度ポートも 6月11日発売

  4. 4位

    TECH

    Obsidianで構築したエンジニアの「第二の脳」― 個人ナレッジベース構築のすべて

  5. 5位

    TECH

    出自で決まる「SASE」の最適解 主要外資ベンダー5社のコンセプトと強み

  6. 6位

    TECH

    FortiGateの圧倒的シェアをサプライチェーン防御に生かす フォーティネット 2026年度事業戦略

  7. 7位

    デジタル

    ブラックスケルトンモデルも登場!ヤマハ初のWi-Fi 7対応AP「WLX333」「WLX232」投入

  8. 8位

    ビジネス・開発

    「デザインの仕事は半減するかもしれない」 MIXIデザイン本部が挑む「AIネイティブなものづくり」への転換

  9. 9位

    TECH

    酵素遺伝子の喪失がカギとなる、大腸菌がカメムシ共生細菌へ変化する仕組み

  10. 10位

    ITトピック

    SCS評価制度でセキュリティ投資「増額予定」が8割/大企業と中小企業のAI導入格差は2.7倍/情シスの3人に2人が「シャドーAI増加」実感、ほか

集計期間:
2026年06月01日~2026年06月07日
  • 角川アスキー総合研究所