気付けば2014年も後半戦。あらためて振り返ってみれば、目立った動きが多かった2014年上半期のPC業界。主なニュースとともに振り返っていきたい。
増税+XPサポート終了で「PC特需」が発生
Officeが使えるWindows 8タブレットが人気に
4月1日に消費税が従来の5%から8%に増税(関連記事)し、4月9日に依然として25%前後のシェアを保っていたWindows XPがサポートを終了(関連記事)した。これらの煽りを受け、2014年最初の四半期はPCの出荷台数が空前の伸びを見せた。特に4月のPC出荷台数は前年比146.9%(JEITA調べ)と2013年の同月より5割近くも増加する結果に。
タブレット市場の拡大も目覚ましかった。各社が相次いでOSにWindows 8/Windows RTを採用したタブレットを市場に投入し、「Officeも使えるタブレット」が一時トレンドに。外出先用のビジネスツール、携行用の簡易PCとして、8型〜12型あたりまでの小型Windowsタブレットが、ごく一般的に購入の候補にあがるようになってきた。マイクロソフトでも旅行代理店大手のH.I.Sと協業し、Windows 8タブレットと旅行を結びつけて「旅レット8キャンペーン」(関連記事)と名付けたキャンペーンなどの施策を実施。
家電量販店が春にかけてタブレットコーナーを拡張するなどの動きを見せ、連日賑わいを見せていたことからも、タブレットが消費者に受け入れられている状況がうかがえる。2014年度のタブレット出荷台数は、最終的に前年比38.6%程度の伸びを見せるとの見方もあるほどだ(米ガートナー調べ)。一方では、2011年の発売以来、欧米を中心に展開してきたChoromebookの日本上陸がついに決定。低価格ノートPCの火付け役になるか!? とも読めるところだが、本格的な流行は下半期から来年にかけてに期待したいところだ。
また6月には日本マイクロソフトが「Surface Pro 3」の国内発売を明かした。樋口泰行社長が「"ヤバイ、すごい"デバイス」とユーモラスに紹介したことで話題に。ディスプレーを12型へと大型化し、「キックスタンド」を改良しているなど、あらゆる点でのブラッシュアップが目立ち、より洗練されたデバイスに仕上がったSurface Pro3。発売は7月17日と間近だ。
特需の影でPC事業の譲渡決めたソニー
そんな情勢の最中、ショッキングなニュースが駆け巡った。2月、ソニーがPC事業売却を発表(関連記事)。VAIOブランドとともに日本産業パートナーズへ引き渡すことを明らかにした。「スマホとタブレットに集中していく」。平井一夫社長の言葉とともに、洗練されたデザインと確かな使用感で人気を集め、一時代を築いた“ソニーのVAIO”は2014年春モデルで終息することとなった。「やっぱり」と言う人がいる一方で、歴史もあり、ファンも多いブランドの売却を惜しむ声も多くきかれた。
しかし5月には新会社「VAIO株式会社」の概要が明らかに(関連記事)。「ソニーのVAIO」は終息となったが、VAIOブランドは存続することとなった。
静かな変化を見せたWindows OSのシェア
1年前に比べれば5%減少しているものの、サポートが終了した今でも依然として25%ほどのシェアがあると予測される(参照:NetMarketShare)Windows XP、Windows XPの置き換えとして人気を集め、50%をこえるシェアをほこると見られるWindows 7の影で、Windows 8、そしてBUILD 2014でUpdate版が発表された(関連記事)Windows 8.1のシェアは合計で12.54%程度と、まだ「高い」とは言えない状況。
Windows 8のローンチから、はや2年が経とうとしているが、Windows 7と比べてガラッと使用感を変えたUIには「抵抗がある」との意見も根強い。
マイクロソフトでは、ユーザーの声をOSに反映するスパンを早める姿勢を「ラピッドリリース」という言葉で示しているが(関連記事)、今後のアップデートではどういったかたちで新機能が追加されるのだろう? 今後も注目していきたい部分だ。
●XPサポート終了まであと3週間、乗り換えできなかった場合は?
●Windows 8.1は本当に良いんだって! XPユーザーの10のギモンを解消!
●日本MSとH.I.S.が協業で旅アプリ。300万円分の“わがまま旅”にも行ける!?
●「VAIOのソニー」から「Xperiaのソニー」へ テレビは分社化
●VAIO社長「VAIOのDNAを継承し、PCの本質を追究する」