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VDI、開発環境、Webサイト、小規模DBなどに適した「T2インスタンス」

最安価だがバースト可能!「Amazon EC2」の新インスタンス

2014年07月03日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 Amazon Web Services(AWS)は7月2日、「Amazon EC2」の新しいインスタンスタイプである「T2インスタンス」を発表した。これまでで最も安価に利用できるインスタンスタイプだが、突発的にCPUパワーが必要になった際にはCPUパフォーマンスを最大化する(バーストする)ことができる機能を備える。

 T2インスタンスには、ユーザーが必要な規模に応じて3つのサイズ(micro、small、medium)が用意されている。最も安価なt2.microの場合、オンデマンドインスタンスで1時間あたり0.013ドル(月あたり9.50ドル)から利用可能。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール、東京)、オーストラリア(シドニー)、ブラジル(サンパウロ)の各リージョンで提供されている。

名前 vCPUs ベースライン性能 RAM (GiB) 1時間あたりのCPUクレジット 1時間あたりの料金 Price / Month
t2.micro 1 10% 1.0 6 0.013ドル $9.50
t2.small 1 20% 2.0 12 0.026ドル $19.00
t2.medium 2 40% 4.0 24 0.052ドル $38.00
※上記は米国東部(北バージニア)のオンデマンドインスタンス料金

 T2インスタンスには、ほかのインスタンスにはない「ベースライン性能」と「CPUクレジット」という値が定められている。ベースライン性能は、通常時にこのインスタンスが利用できるCPUパワーが、物理CPU(Xeon 2.5GHz)のシングルコア性能の何%に該当するのかを示す。

 一方「CPUクレジット」は、インスタンスがアイドル状態などで、CPUのベースライン性能を使用していない時間帯に、徐々に蓄積されていく値。CPUクレジット残高として、最大で24時間分が蓄積される。

 インスタンスでワークロードを実行し、ベースライン性能以上のCPUパワーが必要になると、インスタンスは自動的にCPUパワーをバーストして、割り当てコアの最大性能(100%)を発揮する。このとき、1分間に1CPUクレジットを消費する。CPUクレジットが尽きた場合は、15分間かけてベースライン性能までスケールダウンしていく。

 こうした仕組みを持つため、T2インスタンスは仮想デスクトップ、開発環境、ふだんはトラフィックの少ないWebサイト、小規模データベースなどの用途に向いていると、AWSでは説明している。

T2インスタンスにおけるCPUクレジットの変動例(赤:クレジット使用数、青:クレジット残高)。通常時、CPUクレジットは徐々にたまっていくが、重いワークロードを実行すると(この図では18:20~18:45)クレジットを消費してCPUコアがフルパワーを発揮する

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