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実店舗がないと通販も維持できないと思います

「iiyama PC」のユニットコムが、全国84店舗を持つ意外な理由

2014年06月24日 11時00分更新

文● ナカムラ/ASCII.jp編集部

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ユーザーの要望をリアルタイムで製品開発に反映

――店舗を持っていることは、ブランドPCを開発する上でもメリットがあると聞きましたが。

iiyama PCの直販サイト

 そうですね。直営の店舗があることは製品開発の面でも強みになります。大手メーカーだと量販店での販売がメインとなるため、メーカー応援で行ったときに話をするとか、マーケティング会社に依頼をしてユーザーの要望を集めるパターンが多いのですが、そういう方法だと直にお客様の声を聞けるわけではないのです。弊社は全国に直営店舗があり、お客様の意見や要望がダイレクトに伝わってくるので、すぐに開発に活かすことができます。

 普通のメーカーは通常半年から1年間かけて製品を開発しますが、弊社は店舗で得られたお客様の声をすぐに製品開発に反映させることで、タイム・トゥ・マーケットで製品を展開できます。新製品は、比較的小規模での販売を行ない、その傾向から分析をし、数量や今後の製品反映などの参考としています。だいたい3ヵ月という期間で、新しく出てくる各メーカーのパーツを採用した新機種へ切り替えており、半年~1年続けて販売する機種は稀な状況です。デスクトップPCが約20機種、ノートPCで約18機種を展開していますが、そのうち1~2機種くらいが半年後にも残っている感じでしょうか。

低価格化・高機能化が進むタブレット
ユーザーの決め手は「艦これ」!?

7~8月の発売に向けて開発を進めているOffice標準搭載の新タブレット。カバーにもなるキーボードが付いたモデルで4万9980円、タブレットのみのモデルで3万9980円での販売を予定している

――最近、様々なメーカーから低価格のWindows 8.1タブレットが発売されていますが、iiyama PCからは今後どんなタブレット製品を発売する予定ですか。

 「Windows 8.1 with Bing」(タブレット製品向けの廉価版OS)の提供が始まり、タブレットはさらに安くなっていくと思います。これまで展開しているタブレットモデルに加えて、2in1タイプの製品をどんどん製品化できるように開発を進めています。

 タブレットを選ぶ基準は、1台目が価格で、2台目以降は性能やデザインを重視する傾向がありますので、安くて2台目以降にも選んでいただけるような、軽さやバッテリー容量を重視した製品づくりをしているところです。4月11日にiiyama PC初のWindowsタブレット「10P1000-C-VG」を発売しましたが、この製品への声をもとに、次のタブレットではキーボードにもバッテリーを必要とするBluetoothタイプではなく、タブレット側からキーボードへ給電できる専用タイプを採用するなど工夫をしています。

 タブレットで重要視しているのはブラウザゲームの「艦隊これくしょん -艦これ-」ですね。艦これが動くかどうかがひとつの基準になっているみたいで(笑)。シングルコアのAtomでは厳しかったですが、今後はクアッドコアの新しいCPUにして、艦これもバリバリ動くものを出していきます。

 コンシューマー向けに、グラフィック内蔵のゲーミングタブレットも考えています。また、15~17インチなど、業務用の法人向けモデルにも力を入れていきたいです。


 

(次ページ、「主力のノートPC 女性客向けラインアップを開発中」に続く)

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