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体験して知る、楽しいデジタル 第1回

音楽ユニット「トーニャハーディング」に聞いた

2014年にITをつかって、がんばってレコードを作った人の話

2014年05月21日 11時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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ウェブの力を使って
個人でできる限りのことをやったつもり

レコードをプレスできただけではなく、「クラウドファンディングでレコードを作ったユニットがいる」という話題性も彼らの知名度を上げるのに一役買ったそうだ

 ところで、彼らはいたずらにアナログを信望している人間というわけではない。レコードには、収録曲のMP3データがダウンロード可能なコードが付いている。今回のレコードリリースを「レコード」というものを考えてもらうきっかけにしてもらうだけではなく、それにデータを付けることで、より手軽に自分たちの音楽を聴いてもらうこともできると考えたそうだ。

トーニャ「今って、消費者がデジタルとアナログを意識的に選べる時代だと思うんですよ。その瀬戸際に立っている僕らとして、データとレコードの両方を用意するということに落ち着いた。僕らのアウトプットはレコードだったけど、それはたまたまそうだったという見方もできる。むしろ、デジタルもアナログの共存がより意識的になってくる、デジタルとアナログを選べるというのが、今のテクノロジーじゃないかな」

 そして、レコードを製作したという経験は、単に「自分たちのレコードを出した」以上の成果を彼らにもたらしたようだ。これがきっかけになって仕事のオファーをもらったり、自分たちよりもキャリアがあるDJに、「自分もプレスしてみたい」と言われたりしたという。「今、あえて、アマチュアでレコードをプレスする人なんていないですからね」と2人は笑う。

加藤「私はずっと愛知県にいまして、ちょうどPICNICで支援を受け付ける期間ぐらいに東京に出てきた。キャリアの差などもあり、個人のトーニャハーディングと比べると、私は知名度がなかった。でもこのプロジェクトで、Twitterなどを介して、多くの人と交流が持てたんです

トーニャ僕らのやったことって、要は素人の限界を目指したというか……会社をあげて面白いことをやるところはいっぱいあるけど、やっぱりそこは会社というか、資本の後ろ立てがあるからこそできるものも多い。僕らはウェブの力を使って、個人でできる限りのことをやったつもりなんです」

 クラウドファンディングというテクノロジーによって「素人の限界」を目指した2人は、レコードを作るという夢を叶えただけではなく、その行為によって多くの人の注目を集めることまでできた。大成功例といえるだろう。

ITをつかってがんばる
そんなチャンスの実現例にすぎない

 最後に、彼らのようにクラウドファンディングを使おうと考えている人に、アドバイスすることが何かあれば……とたずねてみた。

トーニャ「僕らは人と違うことをやるというか、たとえ叩かれても伸びてやるぞって気持ちがすごくあった。でも、それは僕らの攻め方。誰かにアドバイスするとしたら……たとえばクラウドファンディングなら、目標でもリターンでもいいから、その人の個性を全部ぶつけてほしいですね。そこで、失敗を考えない。人生がかかっていると思えばなんでもできるというか、絶対にやってやるぞと強く思うのが大事じゃないかと。……この結論、どこの営業マンだよって感じですけど(笑)」

目標でもリターンでもいいから、その人の個性を全部ぶつけてほしい……と語ったトーニャハーディング。インタビューの締めくくりにポーズを取ってくれと頼んだところ、確かに個性的なショットに仕上がった

 ITを使ってがんばる、楽しいことをしたいと考える人にとって、クラウドファンディングは一つの選択肢になるはずだ。本記事ではトーニャハーディングの例を見てきたが、他のPICNIC内のプロジェクトに目を向けても、様々な成功例が並んでいる。

 たとえばアーティスト「fazerock」は、学生でありながらネットレーベルを中心に活動してきた。そして、PICNICでCDの制作費用を集めることに成功している。また、東京都心の野外で開催される“アニメ×ダンスミュージック”をうたうDJイベント「Re:animation」主催の「ちへ」は、イベント「Re:animation6」の開催資金をPICNICで集めた。

 学生が自分の作品に大量に作成し、世に問う。多くの人を集める野外イベントを開催する。いずれも、個人で実現することはなかなか困難に見えることかもしれない。しかし、クラウドファンディングを始めとする今日のテクノロジーは、表現したいという欲求を形にするパワーを持っているのだ。自分の個性をぶつければ、資金集め以上のこともできる……トーニャハーディングの成功例は、クラウドファンディングを活用しようと考える人を勇気づけるに違いない。


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