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体験して知る、楽しいデジタル 第1回

音楽ユニット「トーニャハーディング」に聞いた

2014年にITをつかって、がんばってレコードを作った人の話

2014年05月21日 11時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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憧れのミュージシャンの中に
自分たちが加わったような感動

自分たちの苦労の結晶であるレコードを取り出すトーニャハーディング

 多くの紆余曲折を経て、レコード原盤の作成を依頼したトーニャハーディング。幸いにも、作成の現場にも居合わせることができたという。そのときの感動を、彼はこう振り返る。

トーニャ「あの音が忘れられないんですよ。スタジオで録音したときも、もちろん聴いていた音なんですが……試聴ルームでは、大きくて、素晴らしいスピーカーでそれが流れてくる。自分たちの曲なのに、音が良すぎて涙が出たぐらい。やってよかったなって……。もちろん、小鐡さんの腕前もあると思うんです。またレコードを作る機会があれば、そのときもぜひお願いしたい」

 また、トーニャハーディングが感動したのは、自分たちの楽曲の音に対してだけではなかった。小鐵氏らが作業していた部屋には、今までこの部屋でマスタリングされた、あるいは小鐡氏が手がけたと思しきレコードが置いてあったという。

トーニャ「その中には山下達郎さんとか、僕らにとっては憧れの人の名前があって。ああ、そこに加われたんだって思って……すごく感動しました」

プレスしたレコードの枚数は500枚。公式サイトで販売もされている

加藤「このレコードにはリミックスも入っているんですが、それを手がけたアーティストたちも『あそこで自分の音源がプレスしてもらえるなんて、死んでもいい』みたいなことを言ってましたね。それほど光栄だったのでしょうね」

家族総出でレコードの配送作業に追われたというプレステージ加藤

 無事レコードの原盤も完成し、資金集めにも成功。その成果物であるレコードが2人のもとに届いたときの感動は、もちろん最高……かと思いきや、意外な答えが返ってきた。

加藤「そのときはもう、レコードを配送しなきゃ、リリースのパーティーの準備をしなきゃで、目まぐるしかったんですよ。3月15日にリリースパーティーがあるのに、家にレコードが届いたのが11日。梱包して配送する数が250枚ぐらいなので、私の家族を総動員して作業をしていた(笑)。感動に浸るヒマなんてなかった」

トーニャ「レコードが届いたときはやることがあり過ぎて、何も振り返られなかった。むしろ、こうやって話しているときのほうが、思い出して感動しちゃったりするんです。昨日も2人でイベントに向かっていたんですけど、道中で今日話しているようなことをずっと語っていた。『俺たち、もうちょっと感動してもいいんじゃないの?』って(笑)」

このレコードを買ったから、
レコードプレーヤーを買った人もいた

彼らが作ったレコードは、誰かの部屋で聴かれることもあれば、どこかのクラブで観客を沸かせることもあるかもしれない

 こうして作られた『spa wars』に対しては、多くの反響が返ってきた。特に、若い人からの声が彼らには印象深かったようだ。それはいみじくも、彼らがレコード作成を決意した世代の声。このレコードが初めて手にしたレコードだという人もいる。

トーニャ「レコードを手売りしたときに、若い子に『コレを入れる袋ってないんですか?』って言われて……大きいから、カバンに入らないんですよね(笑)。不便といえば不便なサイズなんですよ、レコードって。それでも欲しいって言ってくれる人がいたのはよかったですよ」

加藤「やっぱり、若い人たちから反響があったのが嬉しかったです。年配の方はそれを意外に思うかもしれませんが、逆にクラブ文化ではレコードをかけるDJの存在は当たり前だし、一方では音楽配信も当たり前。なので、レコードとデータで曲を聴き比べて、細かく感想を言ってくれた人もいて。今までにない経験をさせることができたなあ、と感慨深かった」

トーニャこのレコードを買ったから、レコードプレーヤーを買った、という人もいた。それってすごいことですよね。安いものでは決してないのに、僕らのレコードが聴きたくてプレーヤーを買ってくれたわけで。このレコードがきっかけで行動を起こしてくれる人がいたんです」

DJでもある彼らは、大量のCD/レコードコレクションを保持している。もちろんこれはほんの一部

横に別のレコードを置いてみても、彼らのジャケットは異彩を放っている

 また、このレコードを「壁にかけて飾っている」という人もいたという。これも2人が語っていた通り、レコードのサイズがもたらすインパクトあってのことなのだろう。

トーニャ「男女問わず、壁に飾っている、という人は思いのほかいたんです。でも、よく考えるとすごい話ですよ。だって結構なジャケットで……僕なんか裏表で裸なのに(笑)」

加藤「海外から支援してくれた人もいて、その人がロンドンのアビー・ロード・スタジオの前とか、香港のブルース・リーの像の前とかで、ジャケットを持って撮影してくれたりした。そこはレコードの大きさだから、写真としてキマるんです。CDのサイズだと、同じことをやっていても、やっぱり違いますよね」

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