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溜められない電気を運動エネルギーとして蓄電

古河電工など、超電導フライホイール蓄電装置用マグネットを開発

2014年03月12日 19時33分更新

文● 行正和義

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次世代フライホイール蓄電システム(イメージ図)

 公益財団法人鉄道総合技術研究所と古河電気工業は、古河電工の子会社のスーパーパワーが製造した第2世代高温超電導線材を用いた大型フライホイール用の高温超電導マグネットの開発に世界で初めて成功した。

 これは、クボテック、ミラプロ、山梨県企業局と共同で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」プロジェクトとして実施されているもの。

開発した高温超電導マグネットに用いるコイル

 フライホイール蓄電システムは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を電気を使っての回転させることでエネルギーを溜め、電気を使うときは円盤の回転を使って発電する。一般的なバッテリに対して化学的な劣化することがなく、またフライホイールを磁力で浮かせれば摩擦もないので半永久的に使えるとされる。大電力の蓄電と装置が少ないことから、自然エネルギーと組み合わせた電力の平滑化や、鉄道システムの回生エネルギー装置などとして期待されている。

 現在では超電導によってフライホイールを浮かせる磁気軸受が開発中で、フライホイールが重いほど蓄電効率が良くなることから大重量を支える超電導軸受けと、そのための超電導線・電磁石の開発が進んでいた。開発された線材はイットリウムを用いた第2世代超電導線材で、50K(マイナス223℃)で冷却することによって超電導となる。従来の20K(マイナス253℃)よりも高い温度で超電導となるため、液体窒素を使わない小型冷却装置で運用でき、運転にかかる電力が減ることから全体的な蓄電効率が高いことになる。

 超電導電コイルは内径120mm、外径260mmのダブル・パンケーキコイル(テープ状の超電導線を薄く切ったバウムクーヘンのように巻いた2枚で1対の扁平コイル)で、実験したところ運転電流の110Aにおいて通電・磁場が確認され、さらに線材の性能限界の163Aの通電にも成功した。計算上2トンの浮上力を持つ。

 今後は、コイルを追加して実規模のフライホイールの浮上試験を実施。1組あたり4トンのフライホイールを持つ蓄電装置を開発し、平成27年に山梨県米倉山において新たに建設するメガソーラーで利用するという。

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