バッファローから、オーディオ機器に特化した高級NASが発表された。「DELA」という新しいブランドを立ち上げて新製品を投入する。
最上位モデルの「N1Z」は実売価格が70~80万円になるという超高級モデル。受注生産方式で、フロントに7mm厚、天面と側面に5mm厚のアルミ素材を採用し、底面には高級木材のナラと鋳鉄で構成されたインシュレーターを搭載する。
メインの基板は絶縁性の高いガラスエキポシを採用。ストレージは512GBのSSDを2基搭載するが、このSSD自体が同社の関連会社であるバッファローメモリーが手掛けるカスタム仕様のものとなる。
通常のSSDの場合、転送速度にムラがあり、これが音質に影響する可能性がある。そこで、本製品に採用されているSSDは転送速度を一定に保つように作られており、音への影響を極力低減する。さらにドライブマウントにはゴム足を採用。SSDの微細な振動さえも本体に伝えないような工夫が施されている。
電源は医療用と同等設計という30Wスイッチング電源を2つ搭載。筐体左側にLAN&CPU用、右側にSSD&USB用と完全に分けて配置する。国内メーカー製のコンデンサーを採用するほか、専用ICにより電源の監視と制御を行ない、電源の急速な変動にも対応可能となる。コネクター周りにはノイズフィルターも設置されている。
ネットワークポートは、通常のLANポート以外に、ネットワークプレーヤーにダイレクト接続するためのポートを用意。このポートにプレーヤーを直結することで、最短経路で音源を送出できる。
また、USB 3.0端子を3つ(容量拡張用、バックアップHDD接続用、データ取り込み用)搭載するほか、電源出力用のUSB 2.0端子を1つ用意。外付けHDDなどへの電源供給も可能となっている。
メディアサーバーソフトとして、DSDをサポートする「TwonkyMedia Server 7.1.1-DSD」を搭載。データ保存用領域ではなく、別途システム用メモリーを搭載し、そこに格納される。従来の同社オーディオ用NAS「LS421D」でも採用されていたが、新たにジャケットデータやAIFFのメタデータの表示、DFFのサポートなどの部分が進化している。
なお、N1Zよりも低価格な「N1A」も登場している。低価格とは言っても18万円前後の見込みだ。本体外装がスチール素材で、ストレージは3.5インチ HDDを採用。電源ユニットがシングル構成になるなどの違いがある。
また、ハイレゾオーディオ用LANケーブル「C1AE」(カテゴリー7)も3月下旬に発売。金メッキプラグやメッシュ被覆を採用して高級感を高めているという。価格は1mあたり4000円程度になるそうだ。
ブランド名のDELAとは「未来」を意味するフランス語を語源とする言葉で、デジタルオーディオの未来を象徴している。同社の既存PC用製品の転用品は含まず、あくまでオーディオ用として新規に開発する製品に与えられるブランド名とのことだ。