ブランド品はちゃんとしている!
Made in Indiaのタブレット
見つけたのはインド全土に展開し、スマートフォンやタブレットを扱うチェーン店「The Mobile Store」。そこで有力なインドメーカー「Micromax」の学生向けモデル「Funbook」を購入することにした。
この手の製品にはパッケージに定価が書かれており、これも例に漏れず5490ルピー(約9300円)と書いてあったが、この店では4499ルピー(約7700円)で販売していた。パッケージにはMade in Indiaの文字が。
日本でも人気がある7インチタブレットで、プロセッサーは「Cortex A8」(1.2GHz)、OSはAndroid 4.0.4を搭載。リアに200万画素、フロントに30万画素のカメラを内蔵し、microSDカードスロットも完備している。
アプリは、「Kingsoft Office」(WPS Office)や「Opera」ブラウザー、それに地場のものではインドのニュースやエンターテインメントが見られるMicromaxの「M!Live」や“ボリウッドムービー”(インドの娯楽映画)が無料で見られる「Spuul」(http://spuul.com/ )がプリインストールされている。
SIMカードスロットはなく、The Mobile StoreなどのショップやTaTa DoCoMoなどのキャリアショップやオンラインショップでは、USB接続の3Gドングル経由のネット接続を勧めている。
ネットに繋げば、Androidのデフォルトの地域の設定が行なえ、M!Liveのアプリからコンテンツがすぐに見られる。なお、Micromax Liveは同社サイト(http://micromaxonline.com/)からも視聴可能だ。なるほどノンブランドよりは説明書も含めて投げやり感がなく、フレンドリーで知名度も相まってこのブランドに好感がわく。
家族にMicromaxのFunbookを渡したが、少年2人はまだ物足りない様子。そんな彼らは裏通りの商店街にある服屋と携帯電話屋を兼ねる個人商店に筆者を連れて行ってくれた。そこでは店長が店の自作PCに貯め込んだボリウッド映画やインド音楽をコピーしてくれるという。
30分かけて店長の所有する数え切れないほどの最新のインド音楽と数タイトルのボリウッド映画をコピー(代金は30ルピー。約510円)。コンテンツが無数に入って、流行の音楽やボリウッドスターの映像を次々に再生し、彼らにようやっと満面の笑みが出た。
インドの少年2人がタブレットをどう使いこなすようになるのか。Facebookを使って知り合いを増やして何かビジネスをするのか、学校の友人とどう交流するのか、何のクラウドサービスの使い方を身につけるのか。
この答えはまたコルカタに行くときにとっておきたい。驚きの成長をとげていた、そんなオチを期待したい。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。
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