インドで1750ルピー(日本円にして約2700円)のAndroidタブレット「アーカシュ」(Aakash、ヒンディー語で空の意味)が発表された。“世界最安”を謳うこのタブレット、学生が購入する場合、さらにその半額近くを政府が負担するため、学生は1125ルピー(約1750円)で購入ができるという報道もされている。
インド工科大学などインドの研究施設とカナダのDataWindが共同開発したもので、OSにはAndroid 2.2を採用し、ハードウェアスペックは800×480ドット表示可能な7型モニターに366MHzのプロセッサー、256MB RAM、USBポート×1、無線LAN、GPRS対応SIMカードスロット、SDHCカードスロットがあり、さらに2GBのSDメモリーカードが付属する。
10万台を一括生産したこととインド政府が支持したことで、中国より安い価格が実現したと胸を張る。
ちなみに中国の大口取引サイト「阿里巴巴」で「平板電脳7寸安卓」(安卓はAndroid)をキーに7型のAndroidタブレットを検索すると、だいたい10個以上の発注で300元(3600円)が最安値となっている(10万台をオーダーするとさらに安くなることが期待できる)。
確かに中国よりは安いが、以前「OLPC」ないしは「100$PC」の登場で世界を驚かせたときよりも、他国の安いネット端末に比べてそんなに大きな差はなくなっている。
カナダのDataWindの製品紹介ページには、使用例として以下のような文言が書かれている。
「Web、E-mail、Facebook、Twitterなどいろんな事ができる!」「高品質なビデオストリーミングが楽しめる!」「ゲームやオフィスソフトや教育ソフトなど15万以上のアプリ!」「USBメモリーが利用でき、3Gデータカードも利用可能」「電話としても使える」
逆に言えば、こういった用途こそがインドのインターネットデバイスの利用実態なのであろう。「そんなの世界標準だろう」と思いきや、例えば中国ではタブレットはゲームやビデオなどエンタメ用途にしかフォーカスされていない。
この製品は店頭販売ではなく、電話かオフィシャルサイトの注文フォームからオーダーができるようだ。インドでも電話やネットでオーダーするテレビ通販サイトはあり、こうした販売方法は特別珍しいわけではない。
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