最新+無料のHyper-V Server 2012 R2に触れてみよう! 第4回
初めての仮想化でも大丈夫!な仮想化プラットフォーム入門
Hyper-Vマネージャーからのさまざまな仮想マシン操作
2013年12月25日 14時00分更新
この連載では、無料で使える最新の仮想化ソフトウェア「Hyper-V Server 2012 R2」について、基本的な使い方から少し進んだ使い方までを紹介していく。初めてHyper-Vに触れるという読者の皆さんにも、できるだけわかりやすくお話していきたい。今回は、前回インストールした「Hyper-Vマネージャー」を使って、仮想マシンの設定変更や新規作成をしながらさまざまな機能と便利な特徴を見ていく。
仮想マシンのメモリ容量を変更してみる
さて、前回記事では仮想マシンを1つ作成して、OS(Ubuntu)をインストールしてみた。この仮想マシンに割り当てたメモリ容量は「1024MB(1GB)」、ディスク容量は「60GB」である。
だが、筆者は少し後悔している。実際にインストールしてみると、1GBのメモリでデスクトップOSを動かすのはやや厳しかったからだ。「後悔先に立たず」「急いては事をし損じる」「ご利用は計画的に」。いろんな格言が頭をよぎる。
もっとも、これはそんなに深刻な問題ではない。第1回記事でざっくり説明したとおり、仮想マシンは物理マシンの持つリソース(CPUの処理能力、メモリ、ディスク容量など)を分け合って利用する。そして、それぞれに割り当てるリソースは任意に設定、変更できる。物理マシンではメモリの増設作業も一苦労だが、仮想マシンならば簡単なことだ。仮想マシンならではのメリットである。
さっそく、この仮想マシンのメモリ容量を「4096MB(4GB)」に変更しよう。まずはこの仮想マシンをシャットダウンし、右クリック(または右カラムのメニュー)から「設定」を選択。すると、仮想マシンの設定ウィンドウが立ち上がる。次の画面のように設定変更をすれば、あっという間に作業完了だ。
※仮想マシンへの割り当てメモリ容量を固定的に(静的に)指定するのではなく、指定された範囲内(最小容量と最大容量)で動的に割り当てる「動的メモリ」という機能もある。これは仮想デスクトップ環境(VDI)など、1台の物理マシン上で多数の仮想マシンが動作し、なおかつ各仮想マシンのアイドル時間が長い場合には有益な機能だ。ただしパフォーマンスが落ちる可能性がある。
○Hyper-V 動的メモリに関するテクニカル プレビュー
ほかのリソースも同じようにして変更できる。たとえば、仮想プロセッサの個数も指定できるので、「1」になっていたものを「2」に変更した。これだけで、OSから見ればデュアルコアマシンになったわけだ。
複数の仮想マシンを同時に動かす場合のために、最低限確保するリソース量や“重み付け”(優先度)を指定できる項目もある。たとえば「ネットワーク アダプター」の設定には「帯域幅管理を有効にする」という項目があり、最小/最大の帯域幅をそれぞれ設定できる。多数の仮想マシンを立ち上げる場合でも、特定の(重要な)仮想マシンの処理や通信は保護する(他の仮想マシンから影響を受けないようにする)ことができるわけだ。
ちなみに現在のHyper-Vの仕様では、1つの仮想マシンに最大で64個の仮想プロセッサ、1TBのメモリまで割り当てることができる。ただし、当然のことながら、ベースとなる物理マシンが搭載しているリソース量を超える値を設定することは、基本的にはできない。
(→次ページ、仮想ハードディスクは「使ったぶんだけ」の容量)
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