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既存のネットワーク環境に依存しない「Arcstar Universal One Virtual」

NFVも導入!NTT Com、オーバーレイネットワーク発表

2013年12月11日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 12月10日、NTTコミュニケーションズはネットワーク仮想化の技術を用いたオーバーレイネットワーク「Arcstar Universal One Virtual」を発表した。既存のネットワーク環境の変更なしで「ビジネスポータル」から新しいネットワークを構築・運用できる「Arcstar Universal One」のオプションサービスという位置づけになる。発表会では、NTTコミュニケーションズ ネットワークサービス部の高部文宏氏がサービスの詳細について説明した。

NTTコミュニケーションズ ネットワークサービス部 高部文宏氏

 Arcstar Universal One Virtualは、クラウド接続やグローバルでの利用を前提とする同社のVPNサービスであるArcstar Universal Oneに接続されたネットワークやインターネット上に用途に応じたオーバーレイネットワークを構築できるサービス。専用アダプターを拠点に設置するか、モバイル端末用のアプリを導入することで、オンデマンドでオーバーレイネットワークを構築。IPsecやTLSを用いた独自のトンネリング方式を採用しており、既存のネットワークや端末のIPアドレスが重複しても問題ないという。

独自トンネル方式でVPNを構築する「Arcstar Universal One Virtual」

 また、同社の「ビジネスポータル」からオンデマンドに接続・切断を一元制御できるのも大きな特徴。エンドツーエンドで接続構成やデバイスを把握できるほか、利用回線やユーザー、パフォーマンスまで確認することが可能だ。

 こうしたサービスを開発した背景には、クラウドの普及、企業のグローバル化、企業や事務所の統廃合などの課題がある。異なるVPN間の接続に苦労していたり、度重なるM&AによってネットワークのIPアドレスの重複を回避するのに時間をとられたり、あるいは店舗や工事現場などで短期利用可能なネットワークが欲しいなどの声を受け、既存の物理回線やインターネット上に重畳したVPNを容易に構築できるサービスを提供することにしたという。

 月額利用料は、アダプタータイプがIDあたり1500円(別途購入費1万5000円)、アプリタイプがIDあたり250円となっている(ともに税抜)。申し込みの受付は、2014年3月から。当初は日本、米国、シンガポール、イギリスなど世界21カ国から始め、2015年3月までに世界30カ国まで拡大する予定。また、2014年秋にはWAN高速化やセキュリティ機能などを仮想アプライアンス(NFV:Network Function Virtualization)として提供していく予定となっている。

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