柳谷智宣の「神アプリの説明書」 第29回

iPhone必須アプリ！　ID・パスワード管理「1Password」を徹底解説

　ID・パスワード管理の重要性はみんなわかっているが、それでも面倒で適当に扱っている人が多い。適当なパスワードを使い回していると、いつか大きな被害に遭うので要注意。今回は、パスワードをセキュアに管理できる「1Password」の使い方を徹底解説する。

クレジットカードやメンバーズカード、ウェブのアカウント、パスポートナンバーなど、さまざまなアカウント情報を安全に管理しよう

パスワード管理アプリの老舗「1Password」

　ID・パスワードの管理については、何度も記事を書いているが、それでも筆者の身近な人たちでさえまともに運用していない。つまり、似たようなアカウント名やパスワードを使い回しているのだ。実際、似たような、どころか同じ数字のパスワードを使っている。それも誕生日ベースや電話番号ベース。危険極まりないが「私なんかターゲットにしてもしょうがないし、されるわけもない」と考えている。

　パスワードの全部もしくは一部をオンラインバンクやポイントカード、ネットショップのアカウントに流用していないだろうか。これだと、ダイレクトに金銭的な被害が発生する。登録したことも忘れたウェブサービスから漏洩した場合も危険。漏洩したのは、個人情報を登録していないサービスからだとしても、メールアドレスとパスワードの組み合わせでほかのウェブサービスにアクセスできないだろうか。Gmailにアクセスされると、ほかのGoogleサービスも利用できるので危険度が増す。

　見られて恥ずかしいことはない、という潔癖な人でもリスクはある。例えば、心ない人にクラウドに保存してある家族の写真をネットに晒され、馬鹿にされてしまったらどうだろう。子供の写真だとしたら、今後ずっとネットに残ってしまうので被害甚大だ。メールデータでも、特定の部分を切り出せば、どうとでも印象操作できる。

　結論はいつも同じだが、それぞれ異なる強固なパスワードを設定し、適切に運用するべし、ということ。パスワードを忘れてしまうというのが心配なら、パスワード管理アプリを活用しよう。銀行のパスワードまで保存するのだから、できるだけ信用度の高いサービスを選びたい。筆者が利用しているのは、「1Password」という海外製のアプリ。値段は少々高めだが、256bitのAES暗号で保護されているという信頼性で選んでいる。

「1Password」のウェブサイト

	1Password
	価格	1800円	作者	AgileBits Inc.
	バージョン	4.3.2	ファイル容量	23.6 MB
	カテゴリー	仕事効率化	評価	（3.5）
	対応デバイス	全機種	対応OS	iOS 6.0以降

　1Passwordは、データをiCloudやDropboxを利用して同期することができる。ほかのスマホやPCとも連携できるのだ。ただし、以前「1Password」を購入した人は注意が必要。「柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 ― 第39回　さまざまなIDとパスワードをアプリで管理する技」で紹介したときに公開されていたバージョンでは利用できなくなっているのだ。現在の1Passwordはバージョン4で、既存ユーザーでも買い換えるしかない。この点は大いに不服だったが、しかたがない。

このアプリは「1Password 3」なので、フル機能を利用するなら買い直しが必要

　Windows用やMac用アプリは「1Password」のウェブサイトから購入できる。WindowsとMac用は49.99ドルと高いが、30日間の試用が可能。パスワードのデータをPCでも活用したい場合は、購入を検討しよう。

高価なWindowsやMac用も考えているなら、まずは1ヵ月間試してみよう

Dropboxを利用してデータを同期できる。設定画面から「General」タブを開き、「Move to Dropbox」をクリックする。すでにiPhoneで作成している場合は、データをマージすればいい

　Android用アプリ「1Password Reader」はビューワーのみの機能となり、無料で公開されている。GooglePlayから入手できる。

Android用アプリはビューワー専用なので、無料でダウンロードできる