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Windows Server 2012 R2とAzureを追え第3回

Hyper-V仮想化の強化、ストレージ階層化、BYOD対応機能の大幅充実など

マイクロソフト、Windows Server 2012 R2の新機能を紹介

2013年11月11日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本マイクロソフトで11月7日に開催された「Windows Server 2012 R2」の記者説明会(関連記事)では、「Hyper-V」強化や「Windows Azure」との管理統合、BYOD管理機能追加といった、新しいサーバーOSでの強化点が説明された。

“第2世代”の仮想マシンになったHyper-V

 マイクロソフトによれば、Server 2012 R2では200を超える新機能が追加されている。説明会では、同社サーバープラットフォーム ビジネス本部 Windows Server製品部 エグゼクティブ プロダクト マネージャーの岡本剛和氏が、主要な新機能を紹介した。

 Hyper-V仮想化に関しては、基本仕様はServer 2012と変わらないものの「第2世代の仮想マシンを提供している」(岡本氏)。具体的には、第1世代の仮想マシンで行われていたレガシーデバイスのエミュレーションを排除し仮想化対応デバイスを採用したため、仮想マシンの起動スピードが約20%高速化した。そのほかにも仮想NICからのPXEブート、UEFIからのセキュアブート、2.2TB以上のOS起動ディスクへの対応など、数々のメリットが加わっているという。

 「中でも注目いただきたいのは『OS起動ディスクのオンラインリサイズ』。仮想マシンを稼働させたままで起動ディスクの容量変更ができる」(岡本氏)

日本マイクロソフト サーバープラットフォーム ビジネス本部 Windows Server製品部 エグゼクティブ プロダクト マネージャーの岡本剛和氏Hyper-Vの基本仕様はServer 2012と変わっていない。Server 2012から導入された高速な仮想ディスク形式(VHDX)も利用できる

 また同社サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の吉川顕太郎氏は、Server 2012 R2のHyper-Vでは、LinuxをゲストOSとする場合の機能が強化されたと述べた。ビルトインされた最新のLinux Integration Services(LIS)によって「Red Hat Enterprise Linux 5.9/6.4」や「Debian 7.0」に対応したほか、ダイナミックメモリ、オンラインバックアップといった機能もLinuxゲストでサポートし、Windowsゲストとの機能差を払拭していくと説明している。

 Server 2012 R2のHyper-Vでは、これまで災害対策(DR)機能として提供してきた「Hyper-Vレプリカ」機能も強化されている。これまで固定されていた(5分に1回)データの同期頻度をより短く、30秒に設定することも可能になったため、DRだけでなく簡易的な障害対策機能(クラスタ)としても利用できるという。このとき、プライマリ、セカンダリサイトに加えて3つめのサイト(DRサイト)へのレプリケーション機能も新たに追加され、「障害対策と災害対策を合わせて提供することができる」(岡本氏)。

SSD/HDD混在ストレージの階層化機能をOSが提供

 ストレージに関しては、Server 2012で提供されたストレージプール機能、重複除去機能などに加えて、新たに「階層化ストレージ」機能を追加した。SSDとHDDが混在するストレージ環境において、両者を1つのストレージプールにまとめるとともに、裏側ではファイルの利用頻度に応じてディスク間を移動させる階層化を、OSの機能として備えている。これにより、アプリケーション側からは透過的に、高速なストレージ環境が利用できる。

 岡本氏はこの機能の狙いについて、特にSMBのファイルサーバー環境においてI/O高速化に役立つと説明した。

 「Server 2012の時点では、マルチパスアクセスなどの技法を使って、DAS(内蔵ストレージ)とリモートのファイルサーバーで同等のIOPSが出せるように改善した。新しい2012 R2では、これにファイルサーバー側の階層化を組み合わせることで、より高速なパフォーマンスを実現する。SMBのファイルサーバーであっても、SSDを活用して高速なファイルストレージを提供できる」(岡本氏)

岡本氏が示したデモ画面。Server 2012ではDAS(左)、リモートファイルストレージ(中央)が同等のIOPSを出せるよう改善された。Server 2012 R2ではそれに階層化(Tiering)を加え、ファイルサーバーにSSDを追加するだけでアプリケーション透過的に高速なファイルストレージが実現する

BYOD/リモートワーク対応機能を強化

 Server 2012 R2では、BYOD/リモートワークへの対応機能が多数追加されている。いずれも「従業員が持ち込んだデバイスをActive Directory(AD)に登録し、管理者の管理対象に置くことで安全に、セキュリティを保ったままアクセスする環境を提供する」(岡本氏)ものである。

 「ワークプレース ジョイン」は、ユーザー自身がデバイスをADに登録し、社内リソースへのアクセスやシングルサインオン(SSO)を可能にする機能。ADサーバーにはユーザーに紐付けられたデバイスオブジェクトが作成されるため、管理者はADを通じてデバイスごとにアクセス制限ができる(関連記事)

 「従来はユーザー名/パスワードを知っていればどんなデバイスからでもアクセスできたが、ワークプレース ジョインによって個人のPCも企業の管理下に置き、アクセスを制限できる」(岡本氏)

 また「Webアプリケーション プロキシ」は、安全が確認されたデバイスに対して、社内公開されているWebアプリケーションを社外(インターネット)からアクセス可能にする機能。ADに登録済みのデバイスか否か、アクセス場所が社内か外部かといった条件に基づいてアクセスを制御できる。

岡本氏は、VDI、Webアプリの外部公開、VPNという3タイプの方式を用意していると説明した。VPNでは社内アプリ/データに透過的にアクセスできる自動VPN接続機能「Direct Access」が追加されている

 そのほか、Azureの技術をそのままパッケージ化して、Azureと同等の企業プライベートクラウド環境やプロバイダーのクラウドサービス環境を簡単に提供できるようにする「Windows Azureパック」、Windows ServerとAzureの運用管理基盤として共通化し、双方の環境を一元監視/管理できる「System Center 2012 R2」も紹介された。

System Center 2012 R2のデモ画面。Azureクラウド上の仮想マシン、Hyper-Vによるオンプレミスの仮想マシンを一元監視し、障害原因をドリルダウンできる

 なおServer 2012 R2のエディションは従来と同じ4つ(Datacenter、Standard、Essentials、Foundation)。また接続するクライアント台数に応じて必要となるCAL(Client Access Lincese)に関しては「2012のCALをそのまま利用できる」(岡本氏)。

 System Center製品も従来と同様、サーバー管理向けの2つのエディション(Datacenter、Standard)と、クライアント管理向けの3つの製品(Configuration Manager、Endpoint Protection、Client Management Suite)で構成される。

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