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Windows Server 2012 R2とAzureを追え第6回

The Microsoft Conference 2013基調講演レポート

受け身のITから技術進化を前提とした攻めのIT活用に変革せよ

2013年11月22日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月21日、日本マイクロソフトはプライベートイベント「The Microsoft Conference 2013」を開催した。マイクロソフト最大のイベントの基調講演は、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏が登壇したほか、トップエバンジェリストとして名高い西脇資哲氏によるデモンストレーションも披露された。

「デバイス&サービス」カンパニーとしての意気込み

 The Microsoft Conferenceは年に一度行なわれる日本マイクロソフト最大のイベントで、今年は9300名の登録者、全51社のスポンサーを得たという。「デバイスとサービスの新時代へ ~スピーディーな経営改革を実現する情報基盤とは~」と題した基調講演に登壇した樋口氏は、聴衆に謝辞を述べた後、2020年の東京オリンピック開催やアベノミクスをきっかけとした景気回復など昨今の経済動向について言及。「リーマンショックの頃は株価も7000円を切っており、激しい円高もあって多くの企業は苦しんでいた。投資も抑えられ、コスト削減一辺倒だった。その時期から考えると、予断は許さないが、この4~5年でかなりよくなってきた」と語る。

日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

 しかし、こうした上向きの兆しはあくまで環境の変化がもたらしたもの。樋口氏は、「企業の自助努力によって国際競争力が上がったとは言い切れない」と述べ、今後は島国の日本もいよいよレガシーを排除し、近代化(モダナイゼーション)、多様性の理解などを進めなければ、グローバルで戦えないと指摘した。

 こうした文脈の中でITの役割は、「近代化とITは表裏一体」の存在となっており、ますます重要になっている。現在、ITの分野ではモバイルやクラウド、ビッグデータ、SNSなどのさまざまな技術やトレンドがあり、アーキテクチャや開発現場も大きく変わっている。ITを活用したビジネスはさまざまな可能性が拓けており、樋口氏は、これらを積極的に活用していくことがビジネスの成功につながると説明した。「今までは経営の“ニーズ”があって、それを支えていくのがITだった。しかし、受け身でITを使うのではなく、技術進化で実現する“シーズ”からITを活用し、逆方向から企業の価値を高める方法もあるのではないか?」と提案。そのためには個別の技術ではなく、さまざまな技術に対して包括的に投資していくことが重要だと説明した。

 特に重要なのが、クラウドだ。樋口氏は、「クラウドを視野に入れたプラットフォームになっているか? ベンダーもその姿勢やビジョンを問われている」と述べる。これに対して、マイクロソフトは「クラウドOSビジョン」をベースに、デバイスからクラウドまで一気通巻で提供できるとアピール。「デバイス&サービスの会社になると明確に宣言している。端(デバイス)から端(クラウド)まで力を入れていくのが、会社の方向性。もちろん、WindowsやOfficeも大事にしていくし、アプリケーション資産もきちんと活用できるようにしていく」(樋口氏)と方向性を明示した。

「クラウドを視野に入れたプラットフォームかを問われている」と語る樋口氏

 こうした中、先日Windows Azureの国内データセンターでの運用も発表された。時期に関しては、「2014年前半。しかもなるべく早い段階」としか言及されなかったが、データセンターは2箇所で運用され、DRが考慮されているという。

デモで見るマイクロソフトの最新テクノロジー

 樋口氏から紹介を受けた日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇資哲氏は、PCはもちろん、スマートフォンやタブレット、Xboxまで用いたデモンストレーションを行なった。西脇氏は、まずXbox Kinectのモーションキャプチャ機能を用いて、手話を読み取って、テキストに出力するといったソリューションを披露。また、シェスチャーでメニューを呼び出し、心拍数のようなバイタルデータを表示するといったユニークな使い方もアピールされた。

手話を読み取り、テキストとして出力ジェスチャーでバイタル情報を呼び出す

 次は医療現場を模したデバイスとシステムの連携をデモ。まずBluetoothの端末でバイタルデータを取得し、データをMicrosoft Dynamics CRMベースの業務システムに転送。SNS状のコメントからLyncを呼び出し、専門医に動画でコミュニケーションを行なうといった様子を見せた。そして、専門医のアドバイスに従ってインフォームドコンセントのために3Dプリンターで心臓の模型を作成し、説明後はペンタブレットで患者からサインをもらうといった作業を披露した。

エバンジェリスト 西脇氏(左)、Bluetooth対応の血圧計で女性の血圧を測るの図
Dynamic CRMからLyncのビデオ会議を実行3Dプリンターで心臓の模型を作成(ただし、作成・着色済み)

 その後、西脇氏は飲食店を取り上げ、オーダーからクレジットカードによる会計処理までタブレットとクラウドの連携によって実現するといったデモも披露。iPhoneやAndroidのデバイスも登場し、さまざまなプラットフォームをカバーできる点もアピールされた。まさに「デバイス&サービスの会社」と名乗るにふさわしい、シームレスな連携を観客の目の前で実証した。デバイスとして、PCではなく、タブレットが多用された点も、時代を象徴したような印象であった。

 デモンストレーションの後、樋口氏は、Windows Azure、Office 365やDynamics CRMなどのクラウドサービスが着実に浸透していることを事例と共に紹介した。また、Windows Server 2012やSQL Server 2012などオンプレミス向け製品も堅実に導入されているほか、Surfaceやビッグデータなど新しい事例も披露。デバイス&サービスの会社として高い実績を積み上げていることをアピールした。

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