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Windows Server 2012 R2とAzureを追え第2回

Windows Server 2012 R2販売開始、Hyper-Vシェア拡大、2003からの移行加速も

マイクロソフトが語る“クラウド生まれ”サーバーOSの強み

2013年11月11日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本マイクロソフトは11月7日、今月から提供を開始したサーバーOS新版「Windows Server 2012 R2」に関する記者説明会を開催した(関連記事)。同社サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の吉川顕太郎氏は、同社がServer 2012発表時から掲げる“クラウドOS”ビジョンをあらためて説明するとともに、仮想化技術「Hyper-V」の強み、2015年にサポート終了を迎える「Windows Server 2003」からの移行促進についても言及した。

“クラウドOS”の技術革新はパブリッククラウドから生まれる

 吉川氏は、Server 2012 R2は同社のクラウドOSビジョン実現に向けてさらに進化したサーバーOSであることを強調した。

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の吉川顕太郎氏

 吉川氏は、マイクロソフトでは近年「ソフトウェア開発スタイルを変化させてきた」と説明する。同社は現在200以上にも及ぶインターネットスケールの(巨大規模の)クラウドサービスを運営、提供しており、そこで培われたさまざまな経験や知見がソフトウェア開発に生かされるようになっているのだという。そして、Windows Serverもその例に漏れない。

 「現在はウィークリーでWindows Azureの新機能追加を進めており、あるタイミングでスナップショットを切って(Windows Serverとして)顧客に提供する。最新のテクノロジーをより早く提供できる開発スタイルに変わっている」(吉川氏)

 こうした仕組みにより、Windows ServerとAzureは同じテクノロジー、コンポーネントを備えた「一貫性のあるプラットフォーム」となり、クラウドで実証済みのスケーラビリティや可用性をそのままオンプレミスに取り込むことができると、吉川氏は説明した。今後、Windows Serverのリリースサイクルは「1年、あるいは1年と少しといったサイクル」(同氏)へと短期化されていく方向であるという。

 「サーバー関連の技術革新は、現在はパブリッククラウドの開発現場から生まれている。他のベンダーが(マイクロソフトに追従して)クラウドサービスを始めようと“焦っている”のは、技術革新がクラウドの現場から生まれるからだ」(吉川氏)

Hyper-VはVMwareを「抜き去る」

 さらに吉川氏は、競合製品と比較しながら仮想化プラットフォーム市場におけるHyper-Vの優位性を説明した。IDCによる仮想化サーバー台数のシェアを見ると、2012年第1四半期の段階でHyper-VはVMware ESXを逆転している。吉川氏は「2012 R2が発売されたことで、さらに(VMwareを)抜き去ると考えている」と述べ、自信を見せた。

 「『Hyper-VはvSphereに後れを取っているのではないか』と見られることもあるが、クラスタ化可能なホスト数、またホストあたりのVM(仮想マシン)数という点ではvSphereのほうが追いついていないのが実情。大規模なパブリッククラウドを運営しているマイクロソフトだからこそ、大量のVMを扱う環境をきちんとサポートできる」(吉川氏)

吉川氏が示したServer 2012のHyper-V(中央列)とvSphere 5.5(右列)のスペック比較表。スケーラビリティの面でvSphereと同等、あるいはより高いスペックを持つことを強調したIDCによるワールドワイドの仮想化サーバー台数シェア、四半期ごとの推移(2009年~2013年第2四半期)。Hyper-Vは2012年にVMwareを逆転している

 吉川氏は、SAPやOracleといったミッションクリティカルなビジネスアプリケーション領域においてもHyper-Vのサポートが進みつつあり、基幹システムを支えるプラットフォームとしてもHyper-Vを推進していくとした。

Server 2003からの移行に取り組む時期が来ている

 来春(2014年4月)のWindows XP延長サポート期間終了を目前に、クライアントPCのマイグレーションが話題に上ることの多い昨今だが、「実はServer 2003についても同様の時期にさしかかっている」と吉川氏は述べる。そしてその台数は少なくない。

 「Server 2003は非常によく売れたサーバーOS。2012年時点で国内で稼働しているx86サーバーは218万台と推計されているが、そのうち2003以前のWindows Serverはざっと43万台ある」(吉川氏)

IDC調査による、2012年の国内x86サーバー稼働台数 OS別シェア、およびServer 2003サポート終了に向けたユーザーの対応予定

 Server 2003の延長サポート期間終了は約1年半後、2015年7月までだが、業務アプリケーションの移行作業など、サーバーのマイグレーションはクライアントほど単純ではなく、準備期間は長く必要となる。そのため、移行に向けた情報収集にすぐさま取りかかるべき時期に来ているという。

 「調査によれば、2003顧客の約半数は2012への移行を考えているが、『サポート終了を知らなかった』あるいは『知っていたが計画できていない』という顧客も約2割とまだまだ多い」(吉川氏)

 こうした顧客に対し、サポート切れOSを使い続けることのリスクを訴えるとともに、新OSへの移行を強く促していきたいと吉川氏は述べた。

 最後に吉川氏は11月21日、22日に開催される「Microsoft Conference 2013(MSC 2013)」において、Server 2012 R2の機能やサーバー製品のビジョン、未発表の導入事例を多数紹介する予定であると述べ、ユーザーには「MSC 2013で、ぜひ最新の情報をピックアップしていただきたい」と呼びかけた。

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