日本から世界に波及したトレンドは思いつくだけでも10以上
「インテルの役割は、日本の技術をグローバルに展開するために、日本の企業に付加価値を与えていくことにある。この姿勢はこれからも変わらない。だが、私なりのスタイルで、日本のメーカーを支えていきたい」
――江田氏は、新社長としての抱負をこう述べる。
吉田前社長は、それを補足するように、「日本は、成熟市場といわれているが、むしろ、多くのビジネスチャンスがある。例えば、エネルギーも問題や、高齢化といった問題があり、これをテクノロジーやイノベーションで解決することできる。これを支援するのが、インテル日本法人のミッションである。新たな体制で、日本が抱える課題解決を支援し、それをアジアへの展開、そして世界への展開へとつなげてもらいたい」とする。
吉田氏はこれを「インテル2.0」と表現する。
「世界で起こっていることが、日本でも起こる。それは、これまでの経験でもわかっている」と吉田氏は語る。
インテルが取り組んできたITの進化においても、モバイル、低消費電力、高速ブロードバンドによる通信インフラなどは、日本から世界に波及したトレンドだとする。
「思いつくだけでも10以上があげられる」と吉田氏。今後も、日本発で世界へと波及する潮流を作り上げることを新社長に期待する。
技術畑でもなく、そして、営業の経験もない。マーケティングのスペシャリストである江田氏の社長就任は、インテル日本法人をどう成長させるのか。
脱PCが進むなか、日本のデバイスメーカーの存在感が世界的に薄れつつあるのは事実。そのなかで、日本の存在感を高める戦略を、デバイスメーカーと二人三脚で推進できるかどうかが注目される。
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