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業界人の《ことば》から 第64回

インテル初の女性社長、技術主導で存在感なくす日本企業とどう付き合うか

2013年11月06日 08時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「私なりのスタイルで、日本のメーカーを支えていきたい」」(インテル・江田麻季子社長)

日本法人発足以降、初の女性社長

 インテル日本法人の社長に、インテル セミコンダクター(アジア・パシフィック地域統括)で、マーケティング&コンシューマー・セールス担当ディレクターを務めていた江田麻季子氏が就任した。10年間に渡り、インテルの社長を務めた吉田和正氏は、年内にインテルを退任することになる。

 1976年にインテル日本法人が設立して以来、女性社長は初めてだ。

 「グローバルで見れば、決して特異な存在ではないと認識している。インテル全体として、女性に対して機会を提供している」と、江田新新社長は、その点は意に介さない。

江田新社長。国内のマーケティング本部長として活躍後、アジア・パシフィック地域に。そして凱旋帰国。

 江田新社長は、2000年にインテルに入社。マーケティング本部長として、マーケティング部門を統括するなど、日本での実績も長く、Centrinoのプロモーション戦略でも中心的役割を果たした。そして、日本のPCメーカーとのつながりも強い。

 その江田新社長は、この3年間に渡り、シンガポールに拠点を移し、アジア・パシフィック地域において、インテルのブランドおよびプロモーションに関するすべてのマーケティング戦略立案および実施の総責任者として活躍。その成果を携えての日本法人社長としての復帰。まさに、「凱旋帰国」といった様相だ。

 インテルに入社以前は、マーケットリサーチ・アナリストとして、米ペンシルバニア州トーマス・ジェファーソン大学病院や、ペンシルバニア大学ヘルスシステム、また日本の JMRBリサーチ・インターナショナルに勤務していた経緯がある。マーケティングのスペシャリストである。

インテルの役割は日本の技術を世界に展開する手伝いをすること

 江田新社長は、「この3年間、いろいろな国をまわって感じたのは、日本の産業、日本の技術の強さ。そしてブランド力の強さである。日本の技術があらゆるところに利用され、新興国の成長を支えている。米国との関係強化のみならず、アジアとの架け橋となるべく、活動をしていきたい」と語る。

 そして、海外での経験を、「ほかの国と仕事をしたことで、より明確な比較や、物事の重要度が見えやすくなった」とし、「産業を取り巻く環境は、速いスピードで変革している。それは、これまでの企業主導の変革ではなく、ユーザー主導の変革であることが異なる。新たな組織体制では、ユーズーニーズを的確に把握した製品づくり、そして、いかにスピーディーに決断していくかがポイントになる」と語る。

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